【鬼滅の刃】猫の鳴らす鈴音 (ページ23)

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『禰豆子ちゃん...ッ』

炭治郎はあの火を消すことなく、鬼の首をはねた。

途中で禰豆子が放った、血鬼術も気になるが空から降ってくる禰豆子ちゃんの元へと走った。

『ッ』

空から降ってきた禰豆子ちゃんを受け止める。

『炭治郎！！』

こちらへと這いずってくる炭治郎の背後で、鬼が立ち上がった。

「ッ」

「僕に勝ったと思ったの？可哀想に、哀れな妄想をして幸せだった？？僕は自分の糸で首を切ったんだよ、お前に首を切られるより先に」

炭治郎を守るように禰豆子ちゃんを抱きかかえたまま、鬼の前へと移動する。

『炭治郎、禰豆子ちゃんお願い』
「ッ...Aッ！！」

もう喋るのも苦痛だろう、相当弱っている炭治郎に心が痛くなった。

「全員殺してやる、こんなに腹が立ったのは久しぶりだよ」

『...私も腹が立ってるよ』

目を瞑り深呼吸をする。

五感が冴え、牙が伸びるのがわかる。

「...なんだそれは、鬼か？」

『一緒にしないで』

そう言うと姿勢を低くして、一気に飛び抱えるように刀を構える。

糸を避ける、避ける、避ける、

今だ

『風の呼吸陸ノ型黒風烟嵐(ろくのかたこくふうえんらん)ッッ！！！』

「チッ」

ボトッと落ちたのは首ではなく腕だった。

「ちょこまかウザいんだよね。さっさと死んでくれない？？」

黒糸を避けた時だった。横からの攻撃に気がつかずとっさに避けるも背中に激痛が走る。

『炭治郎！！！！』

一瞬の隙だった。

「血鬼術殺目篭(あやめかご)」

鬼の声がやけに澄んで聞こえた。

炭治郎と禰豆子を囲むように、あの糸が円を描く。

足へと力を入れて炭治郎の方へと駆け出した時、音がした。

水の音、清く流れる水の音だった。

「俺が来るまでよく堪えた、あとは任せろ」

半羽織の男性が炭治郎の周りを囲んでいた糸を切り去った。

「次から次に、僕の邪魔ばかりするクズ共め！！」

私は急いで炭治郎と禰豆子ちゃんの元へと駆け寄ると、二人を守るようにしゃがむ。

「血鬼術刻糸輪転(こくしりんてん) ！！！」

「水の呼吸拾壱ノ型凪(じゅういちのかたなぎ)拾壱ノ型凪」

一瞬だった。

瞬きもできなかった。