北さんの妹、不良少女につき。【角名倫太郎】

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A side


8月もラスト1週間。世間は夏休みでも自分には全く関係がない。ただうだるような暑さにうんざりしながら仕事をこなす日々。



そんな日々も今日はつかの間の休息。今日は倫太郎と約束してた夏祭りの日。
張り切って浴衣なんて着ているが、正直結構恥ずかしい。
祭りの場所は稲荷崎から遠く、稲荷崎からわざわざ足を運ぶほどの規模でもない、らしい。



時刻はまだ18時45分。待ち合わせ時刻にはまだ余裕がある。目に入った喫煙所に吸い込まれるように入る。


1本だけにして喫煙所から出ると目立つ高身長。



「すまん、待った？」


「いや、今来たとこ。…似合ってるじゃん。かわいい」


「じ、自分だけじゃなくて、よかった」


「浴衣？俺も気合い入りすぎかなって思ったけど、Aちゃんと一緒でよかった。」


装い、言葉、その全てがかっこいい。
緊張しながら歩き出す。慣れない下駄はお互い様らしく、いつもより歩幅が狭い。



「そういえば他の男バレは何してるん？」


「今日夏休みの部活最終日でさ、なんか食べ放題行くって言ってた」


「ふーん…」


今から行く方面には居ないこと、治？の食い意地を考えると21時ぐらいまでは店にいる可能性が高い事も教えてくれた。

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