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メニューを見るA。ふと周りを見ると裏からちらほら人が出てきて俺に気付いては目を逸らす。なんだよ。




「決めた、パンケーキ食べる!あと紅茶もええ?」



「ん、ねぇ、パンケーキと紅茶、俺は…コーラお願いしてもいい?」



案内してくれた人と同じクラスメイトに注文を言う。
早くも美味しそうなものを見たような顔。顔が綻んでいて、口から涎が垂れてきそう。



「そんなにお腹すいてるならコンビニにでも寄ったのに」



「い、いや、そこまで倫太郎に着いてきてもらうの迷惑やろ」



「コンビニ寄るのが迷惑とかそれは無いから安心しなよ」




「そうなんか?私倫太郎隣にいても煙草買うてたで?」




「あー確かにそれは…ww」




「な?だから後回しが良かったんやけど…腹減るのは耐えられんくてな…」




えー何それ可愛い。今日午前中だけだけど一緒にいられるんだ…そう考えるだけでなんとも言えない幸せな気持ちになる。
勝手に浮かれていると失礼致します、と声が聞こえて現実に気持ちが戻る。
飲み物がテーブルに置かれる。店員が去るのを確認しないままAがカップに口をつける。
幸せそうな顔がすごく可愛くて無意識にスマホを向ける。
無音で起動したカメラに全く気付かないまま二口ほど飲み、カップを再度テーブルに置く。



「あ、何撮ってんねん!そんなに私変やったか?」



「いや、そんなことないから安心して。」



「嘘やろ!やないとカメラなんて向けんやろ…」




「いやいや本当に何も無いから…」




さすがに可愛いからつい、なんて言える訳もなく。いつになったら直接可愛いって言えるのかな。





しばらくして焼きたてのパンケーキが運ばれてくる。
それに目を輝かせて食べる前に1枚写真をぱしゃり。
なんだ、結構女の子じゃん。
いただきます、と手を合わせる。律儀に手を合わせるあたりが北さんにかなり似ている。
ナイフとフォークを使ってお行儀良く口に運ぶ。この学校ではそうそうお目にかかれない綺麗な動作に目を奪われる。




「そんなにこれ見て、食べたいんか?」




「えっ、いや、そういう訳じゃないけど…」




「ふーん。」




興味無さそうに返事したと思ったらまた目の前のパンケーキに夢中になっていた。その表情は見たことないぐらい可愛くて、あぁやっぱりこれは惚れ込んでいるのだと自覚させられた。

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ヤナ - ヤバすぎ、、、、倫ちゃんがタバコとか、、、、想像するだけでにやけてまう、、、、 (2021年4月8日 17時) (レス) id: 4f2b53094b (このIDを非表示/違反報告)
- 初めまして、コメント失礼します!夢主ちゃん惚れました(((更新楽しみに待ってます!応援してます!!! (2020年12月20日 3時) (レス) id: f55a523df1 (このIDを非表示/違反報告)
- 神作品降臨ですわ....ありがとうございます!!! (2020年12月19日 19時) (レス) id: 98cd497361 (このIDを非表示/違反報告)
ナツカぬ - めちゃくそ面白いです!更新頑張って下さい! (2020年12月19日 10時) (レス) id: 00b7d99141 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とうか | 作成日時:2020年11月15日 4時

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