王と騎士とお姫様【月永レオ】 (ページ27)

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王様とお姫様の大喧嘩ページ27

「今のKnightsから、前みたいな"強さと誇り"を感じない！うー、ダメだダメだ…！霊感(インスピレーション)が湧かない！！おいお前！なんか面白いことして！！」

あ"ー！と紙をまき散らしながらあたしを指さし指名してくるこの人は、本当にKnightsの王様なのだろうか？

普通にセナハウスに入り浸ってるし、まあ…わからないことは無いけど分からない。

それに面白いことって何！？あたしさっき喧嘩売られたばっか！！話す気ない！！！

「お〜い、お前大丈夫？耳聞こえてる？…う〜ん？…あはは☆何もしなくてもこいつ面白いな！立ってるだけでいいや！」

「ちょっとA？その歪んだ顔何とかしてくれない、チョ～うざぁい。」

そんなにひどい顔をしていたのでしょうか瀬名泉様。

あたしのほっぺたをムニッと抓りながら、吐き捨てる彼も、中々に今ひどい顔をしてると思う。
1億の顔を持つって言われてるし、直に言う度胸とかないけど。

「くあぁぁ〜！？もう我慢なりません！この人がKnightsのleader！？司は認めませんよ！！」

床に散らばってしまった紙をご丁寧に拾い集めていた末っ子すーちゃんも、拾っても拾っても降ってくる紙に痺れを切らしたのか、ぐしゃぁ！と紙を潰しながら、あたしがされたように、王様に指を指す。

末っ子すーちゃんがこんなにハッキリとキレたのは初めて見た。

「ん？なんだ新入り、文句があるなら"俺たち"とのジャッジメントで勝ってみせろよ。」

少し、ズキッときた。
同じKnightsのメンバーなのに、呼ばれ方は新入り。
ちゃんと、朱桜司って名前あるじゃん。
泉さんでさえ、かさくんってそれとなく呼んでくれてるのに。

「先程のお姉様への態度！あれも許せません！貴方、Princess Live を知っていますね！？知った上でお姉様にあのような態度が取れるなんて信じられません！」

怒りの沸点が頂点に達したのか、ダンダン！と床を踏みつけ悔しそうに叫ぶ末っ子すーちゃんは、その綺麗な瞳にうっすらと涙さえも浮かべた。

「だからさ、なんか文句があるなら俺からの挑戦、受けて勝ってみせろって言ってんの〜。新入りは聞き分けが悪いな〜？」

ﾌﾞﾁｨ。
いつのまにかあたしも怒りの沸点が頂点に達したみたいで、泉さんの服の裾を離し、今度はあたしが末っ子すーちゃんの前に立つ。

すると王様は、目付きを変えて、また品定めをするようにあたしを見た。