クリーム色の青春【菅原孝支】 (ページ5)

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5.恋とか恋人とかページ5

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部活後、結と話していると、また澤村が坂ノ下商店に誘ってくれた。
澤村はすっごくいい奴なのに結のこととなると恐ろしく鈍感だ。
真っ赤になって澤村と並んで歩く結を、微笑ましい気持ちで眺めていた。

「何ニヤニヤしてんの？？」

今日は何故か菅原もいる。

「え、別になんでもない！……菅原、彼女と一緒に帰らないの？」
「ああ、あいつは今日部活休みみたいで先に帰ったからさ」

菅原と彼女はすっかりいい感じになってる。
私はその姿を見て、少しだけ胸がいたむこともあるけどもう慣れた。
けれど他に好きな人はまだ出来ない。

「いいね、彼女とか、青春してて羨ましい」
「……お前は好きな奴とかいないの？」

恋人のいる好きな人に、好きな人がいないか聞かれるなんて
結構な拷問だよね。
貴方です、なんて言えたらどれだけ楽だろうか。
でももっと早く言わなかった私が悪いんだ。

「いないよ」

「宮下さん彼氏いないなら旭さんと付き合えばいいじゃないっすか！」

急に後ろから割り込んできた西谷が大声で叫んだ。

「こら、西谷。バカなこと言うんじゃないよ。二人とも困ってるだろ」

振り返った澤村が鬼の形相で西谷の頭を掴んだ。
結は爆笑しているし、東峰はあたふたしながら澤村と西谷を止めている。

別に彼氏なんていなくても、ずっとこうやって皆でわいわいやれてるなら
楽しいだろうな。

「えー！宮下さんしっかりしてるし、へなちょこな旭さんを引っ張ってくれそうでお似合いだと思うんですけどね！」

「西谷それ傷つくんだけど…」

小さな声で情けなく呟いた東峰に、私も爆笑した。