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25歳[3] ページ16

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「…あ……」



仕事の帰り、歩いていると見知った後ろ姿を見つけてしまい急いで踵を返し来た道を戻った。



相手にはバレてないはず。



いつもなら直接帰るがそんな気分になれず何度か竜胆と行ったことのあるバーに寄った。



今日は彼はここには来ないだろうから。



何杯飲んでも頭はさっきの光景を忘れさせてはくれなかった。



「あれ?Aちゃん?」



「……蘭さん」



タイミング悪く蘭さんに捕まってしまった。



「一人?竜胆と一緒じゃないの?今日あいつ非番だよな?」



「…そうなんですね」



グラスを握る手に力が入った。



「竜胆呼ぶ?」



「多分忙しいですよ」



「ん?」



蘭さんが覗き込んできた。



「……半年前の事知ってますか?」



「あは。竜胆がプロポーズ断られたやつでしょ?」



楽しそうに笑う蘭さんに苦笑いを返した。



「全て私がいけなかったんです。あの日竜胆より仕事を選んだから。仕事でトラブルがあって頭がパニックになって竜胆の話しを聞く余裕がなくて」



「みたいだね〜」



「…さっき竜胆を見かけたんです」



「え?」



流石に驚いた表情を見せた。



「女の人と一緒でした。ホテルの方に向かって歩いていて…….、今日は仕事休みなんですよね?」



「っ!!」



「竜胆を責める権利は私にはないです。半年前のあの日私達の糸は切れちゃったんだと思うんで」



「Aちゃんはどうしたいの?」



「わかんないです。私の幸せってなんでしょうね?小さい頃からの夢だった仕事なのか。竜胆の為だけに尽くすお嫁さんなのか」



「まあ、俺ら反社と結婚ってなったら表の世界では生きられねぇな」



仕事を続けつつ結婚は出来ない。



「竜胆には迷いなく彼に尽くせる女の子が合ってるんです。私なんかが過去の思い出と縛り付けたら可哀想…」



さっき一緒にいた女の子は彼の隣で綺麗に真っ直ぐ見つめて微笑んでいた。



それに笑顔で返す竜胆の姿をこの半年間私は見た事があっただろうか?



「私も竜胆も次に進むべきなんだと思います」



「次?」



「海外へのお誘いの話が出てて。離れる良い機会かもしれません」



「俺が竜胆にそれを言ったら?」



「蘭さんなら黙って見守っててくれると信じてます。お兄ちゃんなので」



「ずる〜」



蘭さんを残し、席を立った。







帰り道先輩に海外の返事と竜胆へのメールを打った。




『竜胆今までありがとう。竜胆を選べなくてごめんね』

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月華(プロフ) - チヅさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けたなら良かったです!他のお話で気に入って貰えるのがあると良いんですが。 (2022年9月13日 7時) (レス) @page28 id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
チヅ(プロフ) - メチャメチャ楽しかったな〜(^^)他のお話も読んでみようと思います(^^) (2022年9月13日 1時) (レス) id: eeaef92f1e (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - ふらんそわ。さん» コメントありがとうございます。竜胆は子供と肩車似合いそうだなって勝手に妄想しました😁 (2022年4月4日 8時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
ふらんそわ。 - 私も竜胆に肩車してほしーなー…😏 (2022年4月4日 1時) (レス) id: ce685a0196 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月華 | 作成日時:2022年3月11日 0時

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