其ノ捌 ページ9
Noside
〜探偵社〜
「！」
ヘッドフォンをつけて、ソファーで寝転がっていた太宰の目が見開かれる。
「おい太宰。そろそろ仕事を……」
国木田が、太宰を叱ろうとソファーの方を向くと、そこに、彼の姿は無かった。
「……あれ？」
〜路地裏〜
樋口の銃口が火を噴く。
そして──
「！」
なんと、ナオミが谷崎の前に立ちはだかり、両手を広げて盾になる。
ナオミの体は銃弾を受け、そのセーラー服は血まみれになる。
「兄様……大丈…夫？」
その言葉を最後に、倒れるナオミ。
そんな彼女を抱きとめる谷崎。
「ナオミッ、ナオミ！！」
ナオミの意識は既に無く、地面に崩れ落ちる。
それを見て、谷崎は激しく動揺する。
「ど、どどうしよう……し、止血帯。
敦くん、止血帯持ッて無い？
いや先ず傷口を洗ッて……違う！
与謝野先生に見せなきゃあ……」
その隙に慣れた手つきで銃倉を交換する樋口。
「い、医務室まで運ばないと！
敦くん！足、持ッて……」
いつの間に、谷崎のすぐ背後に樋口が立っている。
そして、銃口が谷崎の後頭部に押し付けられた。
「そこまでです。
貴方が戦闘要員で無い事は調査済みです。
健気な姫君の後を追って頂きましょうか？」
ゆっくりと振り向き、樋口を睨む谷崎。
その目のこれまでに無い気迫に、樋口は一瞬、竦む。
「あ？チンピラ如きが……」
谷崎はナオミを抱き上げる。
「ナオミを傷つけたね？『細雪』」
その瞬間、周囲に雪が舞い始める。
「(雪……？この季節に？)」
「敦くん。奥に避難するンだ。
こいつは……ボクが殺す！」
「くっ。」
樋口は谷崎に向かって再び機関銃を撃つ。
だが、その銃弾は──
谷崎の体を��通過��し、谷崎の体は、薄く透明化し、ついには消えてしまう。
「！？」
「ボクの『細雪』は、雪の降る空間そのものをスクリーンに変える。」
「なっ……何処だ！」
と谷崎の姿を求めて、銃口を振り回す。
「ボクの姿の上に背後の風景を上書きした……
もうお前にボクは見えない！」
「姿は見えずとも、弾は中る筈っ！」
樋口はとにかく周囲に銃を撃ちまくる。
「大外れ。」
いつの間にか背後に立っていた谷崎が、両手で樋口の首を絞める。
「──！」
「死んで終え！」
両手に渾身の力を込める谷崎。
「くっ……ああ……」
その時──
ゴホッ、ゴホッ、と小さく咳き込む声が聞こえる。
急に──
樋口の首を絞めていた谷崎が、倒れる。
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舞花 ひめ(プロフ) - 櫻色華伝さん» コメント有難う御座います！涙香くん、可愛いですよね！私もデレデレしながら書いてます(( これからも頑張って更新させて頂くので、これからも宜しくお願い致します。 (2020年1月8日 10時) (
レス) id: 56c3681e86 (このIDを非表示/違反報告)
櫻色華伝(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！夢主(私は累-かさね-ちゃんとしてます)LOVEの涙香くん可愛すぎる！応援してます。更新頑張ってください！ (2020年1月7日 15時) (レス) id: bb11e6ace8 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います！頑張って更新させて頂くので、楽しんで頂ければ幸いです！▼とあるヰ琉兎さんも、頑張って下さい！応援してます！ (2019年4月3日 22時) (レス) id: 95f7a369ce (このIDを非表示/違反報告)
▼とあるヰ琉兎(プロフ) - 首領の意味深な発言や芥川との関係が良かったです！！この先どう進んでいくか気になります。更新楽しみにしてます！！これからも、応援してます(´ω｀*) (2019年4月3日 21時) (レス) id: ff0f774975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞花 ひめ | 作成日時：2019年3月1日 7時
