其ノ陸 ページ7
Noside
その頃、芥川は……
軽く咳き込みながら、指示された軍警の屯所を目指していた。
手には鞄を持っている。
ゴホ、ゴホッ……という咳で芥川に気付く警官。
「道に鞄が落ちていました。
遺失物かと。」
「ああ、落し物ね。
じゃあ、この書類に詳細を──」
「おや？あんた、どっかで……」
「流石、もう看破なされたか。」
そう云うと、芥川は羅生門を展開させる。
「やはりこの街の軍警は頗る優秀だ。」
狼狽する警官たち。
「おい真逆こいつ、手配書の──！」
女性が屯所を訪れ、軽く咳き込んだ芥川とすれちがう。
「あのォ、道をお尋ねした──」
屯所内を除く女性は、
「ひいッ！」
思わず悲鳴と共に座り込んだ。
屯所内には──
惨殺された二人の警官の遺体があった。
「うわッ、何だコレ。」
「やべェ、テロか？」
近くを通りかかった人達が屯所に群がる。
女性が芥川に目を向けた。
屯所の一角にある、芥川が置いた鞄がピッと小さく電子音をたてる。
「あの男──」
軍警察の屯所から少し離れた場所を歩いている芥川。
その背後で、屯所が爆発した。
芥川は、その爆発をもはや意に介さず、振り向くこともなく無表情に歩き続ける。
彼は携帯を取り出し、電話をかける。
「終わった……次は？」
『あ、龍くん……終わった〜？』
「終わったと云っているだ……終わりました。」
芥川は、昨日の感覚が抜けていないのか、敬語を忘れそうになる。
『別に善いのに……まあ、いいや。
樋口ちゃんから連絡が来る筈だから。
そしたら、指示した裏路地に行って。』
「はい。」
『じゃあ、宜しく〜
何かあったら、また連絡して。
……まあ、そんな事無いと思うけど。』
Aの其の一言に、芥川は静かに息を呑む。
最後の一言には、��失敗するな��という威圧が含まれていた。
芥川は、其れを理解出来ない人種では無い。
同い年の筈なのに、彼女には太宰と同じような威圧がある。
芥川が彼女を頼りにし、従っているのは、只単に上司だからだけで無く、そんな理由もあるのだ。
『まあ、大丈夫でしょ？』
「……はい。」
『じゃあね〜』
芥川とは反対に、お気楽な声で電話を切るA。
「………………」
芥川は、無言で先程まで電話していた携帯を見つめる。
すると、其の時静かに携帯が震える。
『芥川先輩……予定通り捕らえました。』
「
芥川は連絡を受け、指定された路地裏へ向かった。
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舞花 ひめ(プロフ) - 櫻色華伝さん» コメント有難う御座います！涙香くん、可愛いですよね！私もデレデレしながら書いてます(( これからも頑張って更新させて頂くので、これからも宜しくお願い致します。 (2020年1月8日 10時) (
レス) id: 56c3681e86 (このIDを非表示/違反報告)
櫻色華伝(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！夢主(私は累-かさね-ちゃんとしてます)LOVEの涙香くん可愛すぎる！応援してます。更新頑張ってください！ (2020年1月7日 15時) (レス) id: bb11e6ace8 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います！頑張って更新させて頂くので、楽しんで頂ければ幸いです！▼とあるヰ琉兎さんも、頑張って下さい！応援してます！ (2019年4月3日 22時) (レス) id: 95f7a369ce (このIDを非表示/違反報告)
▼とあるヰ琉兎(プロフ) - 首領の意味深な発言や芥川との関係が良かったです！！この先どう進んでいくか気になります。更新楽しみにしてます！！これからも、応援してます(´ω｀*) (2019年4月3日 21時) (レス) id: ff0f774975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞花 ひめ | 作成日時：2019年3月1日 7時
