其ノ肆拾参 ページ45
Aside
手近にあった、薄い黄色のドレスを手に取り、エリス嬢に渡す。
「可愛いわ！流石、Aね！その服にしようかしら。」
「ええ。私は、良いと思いますよ。」
「Aが云うなら、着てくるわ！」
−数刻後−
「如何かしら？」
エリス嬢が着ているのは、黄色を基調とした
スカートや袖口の襞と、飾りのリボンが薄いピンクになっていて、エリス嬢の可愛らしさを更に引き立てている。
「よくお似合いです。」
私がそう云うと、エリス嬢は得意気に笑う。
「Aが云うなら間違いないわね！
さあ、戻りましょう！
Aの新しい部下について早く知りたいわ！」
エリス嬢の言葉に、私は曖昧な笑みを浮かべる。
「そんなに急がなくても、彼は逃げませんよ。」
首領室に戻ると、何故か変な空気が流れていた。
それも、
「あぁ！エリスちゃん！可愛いよ〜！天使だよ〜！」
「気持ち悪いわ、リンタロウ！」
首領の一言でぶち壊される。
首領がエリス嬢に夢中になっている隙に、涙くんに小声で話しかける。
「ねぇ、首領に何かした？」
「いや、何もしていない。」
「そう……」
なら、先刻の変な空気はなんだったんだろう？
「あっ、ねぇ、夏樹くん。」
「はい、何ですか？」
「その子、先刻から何を質問しても答えないのだけれど……如何してか判るかい？」
ちらっと、隣にいる涙くんに目をやる。
��何もしていない��
って、そう云うことか……
確かに変な空気が流れる訳だ。
「涙くん……何で首領の質問に答えなかったの？」
「Aが、余計なことは云うなと……」
「いや……首領の質問には答えようよ。」
「良かったのか？」
「うん、勿論。」
「そうか……それは申し訳ないことをした。」
涙くんは、首領の方に向き直って、
「申し訳ありませんでした。」
と云って、頭を下げた。
「いや、別に構わないよ。
じゃあ、自己紹介を頼めるかい？」
「はい。黒岩涙香です。
少し前まで下級構成員だったのですが、姉の死をきっかけにAの部下になりました。
首領秘書を表向きでは勤めるよう、Aから云われているのですが……」
「その通りだよ。夏樹くんに脅さ──」
「首領？」
「……二人で話し合って、そうしてもらうことにしたんだ。」
脅されて、だなんて首領も人が悪いなぁ。
私、脅しなんかして無いのに。
……あれは、脅しのうちに入らないから。
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舞花 ひめ(プロフ) - 櫻色華伝さん» コメント有難う御座います！涙香くん、可愛いですよね！私もデレデレしながら書いてます(( これからも頑張って更新させて頂くので、これからも宜しくお願い致します。 (2020年1月8日 10時) (
レス) id: 56c3681e86 (このIDを非表示/違反報告)
櫻色華伝(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！夢主(私は累-かさね-ちゃんとしてます)LOVEの涙香くん可愛すぎる！応援してます。更新頑張ってください！ (2020年1月7日 15時) (レス) id: bb11e6ace8 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います！頑張って更新させて頂くので、楽しんで頂ければ幸いです！▼とあるヰ琉兎さんも、頑張って下さい！応援してます！ (2019年4月3日 22時) (レス) id: 95f7a369ce (このIDを非表示/違反報告)
▼とあるヰ琉兎(プロフ) - 首領の意味深な発言や芥川との関係が良かったです！！この先どう進んでいくか気になります。更新楽しみにしてます！！これからも、応援してます(´ω｀*) (2019年4月3日 21時) (レス) id: ff0f774975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞花 ひめ | 作成日時：2019年3月1日 7時
