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其ノ肆拾弐 ページ44

Aside

次の日の朝……

シャワーを浴びた私は、龍くんがくれたパーカーを着て、涙くんを待っていた。

「まだかな〜」

そう小さく零したのと同時に扉がノックされる。

「開いてるよー」

私があげた外套を肩にかけた涙くんを見て、私は機嫌を良くした。

「それ、着てくれたんだ。」

「嗚呼。Aから貰った物だからな。」

嬉しそうな涙くんを見て、あげて良かったと思った。

「何時もと着ているパーカーが違うが……
それが、芥川から貰ったパーカーか?」

「そうだよ。よく気付いたね。」

「当たり前だ。」

当たり前か……

上司の服の違いってそんなに判るもんかな?

……私、あのロリコンの服が変わってても気付けない気がする。

「如何かしたか?」

「いや、何でもない。さっさと挨拶済ましちゃおう!
あっ、あんまり余計なことは云わないでね?
面倒事は厭だし。」

「わかった。」

涙くんと一緒に部屋を出た私達は、首領の部屋に向かった。



「失礼しま〜す。」

「失礼致します。」

今日は、首領が事前に黒服たちをどかしていたらしく、首領室前には誰も居なかった。

黒服たちの慌てふためく様が見られなくて残念だ。

まぁ、その代わり……

「エリスちゃ〜ん!このドレスを着ておくれよ〜!」

「いやよ!」

「一瞬、一瞬だけでいいんだ!」

「しつこい!」

半裸のエリス嬢を追いかけてる首領が見られたからいいか。

……録画しようかな?

いや、やめとこ。時間ないし。

「首領、夏樹です。
先日ご報告致しました、黒岩の挨拶で参上しました。」

首領とエリス嬢が同時に此方を向く。

「あっ!A!」

私を見た瞬間、エリス嬢が駆け寄ってくる。

「お久しぶりです、エリス嬢。」

エリス嬢は、私の後ろにいる涙くんを見て首を傾げる。

「誰?」

「今日は、彼の紹介で来ました。
なので、着替えて下さると嬉しいのですが……」

私の言葉に、首領の顔が明るくなる。

……アンタのためじゃねぇよ。

「わかったわ!あっ、そうだ!
なら、Aが決めてちょうだい!
リンタロウが決める服より、よっぽどセンスがいいわ!」

エリス嬢、相変わらずだなぁ。

話進めたいし、さっさと決めるか。

「判りました。行きましょう。」

エリス嬢に手を引かれ、やたらと広い収納室に連れられる。

「何色のドレスがいいかしら?」

色とりどりの服を手に楽しそうにするエリス嬢。

「何時も赤のドレスをお召なので、偶には黄色のドレスなんて如何でしょう?」

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舞花 ひめ(プロフ) - 櫻色華伝さん» コメント有難う御座います!涙香くん、可愛いですよね!私もデレデレしながら書いてます(( これからも頑張って更新させて頂くので、これからも宜しくお願い致します。 (2020年1月8日 10時) (レス) id: 56c3681e86 (このIDを非表示/違反報告)
櫻色華伝(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!夢主(私は累-かさね-ちゃんとしてます)LOVEの涙香くん可愛すぎる!応援してます。更新頑張ってください! (2020年1月7日 15時) (レス) id: bb11e6ace8 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います!頑張って更新させて頂くので、楽しんで頂ければ幸いです!▼とあるヰ琉兎さんも、頑張って下さい!応援してます! (2019年4月3日 22時) (レス) id: 95f7a369ce (このIDを非表示/違反報告)
▼とあるヰ琉兎(プロフ) - 首領の意味深な発言や芥川との関係が良かったです!!この先どう進んでいくか気になります。更新楽しみにしてます!!これからも、応援してます(´ω`*) (2019年4月3日 21時) (レス) id: ff0f774975 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:舞花 ひめ | 作成日時:2019年3月1日 7時

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