其ノ参拾肆 ページ36
「はやしほふふへゆね[話を続けるね]。」
「別に構わぬが、話すか食べるか何方かにしろ。」
……龍くん、お母さんみたい。
ま、母親なんて居たことないから、よく判んないんだけど。
「はいはい。……其れでね?
龍くんに鏡花ちゃんを任せようと思うの。」
「僕に?」
「そう。鏡花ちゃん……と云うか、正確には夜叉をね。
携帯使って指示出しして。
私の作戦に従ってくれれば、何の問題も無いから。
彼女を使って太宰サンを捕まえたら、本命の人虎。」
偶には、チャンスでもあげようかな。
「人虎の方にも、鏡花ちゃんを使う。何が良いかなぁ?
……よし、一般市民を巻き込もう。
向こうは腐っても探偵社。
一般市民を皆殺しにしたりはしないでしょう。
逃げられたくないし……電車とか如何かな?
梶井辺りにお願いするか。
彼奴、無駄に目立ってるから、此れ以上目立ったところで、大して変わんないでしょ。」
ふと、龍くんが黙って私を見詰めているのに気付く。
「如何した?何か問題でもある?」
「いや、よくそんな作戦が思い付くなと感心していた。」
「あぁ、そんな事か……別にそんな凄い事じゃ無いよ。
ある程度は、事前に考えてたし。」
龍くんを待ってる時とかねぇ。
「作戦実行は今日から。
姐さんの方には、私から話しとく。
だから、鏡花ちゃんの方は宜しくね?
取り合えず、太宰サンが通りそうな場所で待機。
勿論、太宰サンの顔を覚えさせて。
詳しい場所は、人虎捕獲の詳細と一緒に資料で教える。」
…………ざっと、こんなところかな?
「じゃあ、仕事の話はお仕舞い!
折角のご飯が冷めちゃったね……早く食べちゃおう。」
頼んだものを完食した後、無花果のケーキを食べる。
然程時間はかからなかった。
レストランを出た私達は、再び涙くんに似合う外套を探し求め、歩き始める。
次に入ったお店で、私は運命的な出会いをした。
「此れだ!」
私の手にあるのは、黒の外套。
ただ、龍くんのみたいに真っ黒じゃなくて、袖口のベルト等、装飾品が白なのだ。
「決まったのか?」
「うん。此れだよ、此れ!涙くんに絶対似合う!
色もマフィアと私の間みたいで良い感じ!買って来る!」
会計をカードで済ませる。
……矢っ張、ポートマフィア傘下の店って何処も高いねぇ。
まぁ、でもお金は余ってるし、別にいっか。
私は、ルンルン気分で店を出た。
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舞花 ひめ(プロフ) - 櫻色華伝さん» コメント有難う御座います!涙香くん、可愛いですよね!私もデレデレしながら書いてます(( これからも頑張って更新させて頂くので、これからも宜しくお願い致します。 (2020年1月8日 10時) (レス) id: 56c3681e86 (このIDを非表示/違反報告)
櫻色華伝(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!夢主(私は累-かさね-ちゃんとしてます)LOVEの涙香くん可愛すぎる!応援してます。更新頑張ってください! (2020年1月7日 15時) (レス) id: bb11e6ace8 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います!頑張って更新させて頂くので、楽しんで頂ければ幸いです!▼とあるヰ琉兎さんも、頑張って下さい!応援してます! (2019年4月3日 22時) (レス) id: 95f7a369ce (このIDを非表示/違反報告)
▼とあるヰ琉兎(プロフ) - 首領の意味深な発言や芥川との関係が良かったです!!この先どう進んでいくか気になります。更新楽しみにしてます!!これからも、応援してます(´ω`*) (2019年4月3日 21時) (レス) id: ff0f774975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞花 ひめ | 作成日時:2019年3月1日 7時