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「……う、うん?」
目が覚める。視界が、白い。空虚な白さだ。何もない世界に、自分だけがいるような。ジェベリアは痛む頭を押さえる。何があったろう。ここはどこ?私は確か、殺されたはずなのに。
いや、待て。殺されたのなら、つまりは。ジェベリアは一つの可能性に気付き、獣を思わせるような、細く長いため息をついた。
「ああ、起きたの?」
背後から声がする。振り向くと、そこには黒い装束を身に纏う何者かがいた。ジェベリアはその人物を見た事はなかったが、その人物が誰なのかは知っていた。
エルシャ神。ジェベリアを作った神だ。
ジェベリアは小さく唸り、後退り。自身を嫌悪し警戒するジェベリアのその様子に、しかしエルシャ神は気にした素振りもないまま、歪む。縦に揺れて、ぐにゃりとねじれる。それは踊りだった。もっとも、踊りと言うにはあまりにも奇っ怪であったが。
「私、暇を潰したいから、今度そちらにお世話になるんですよ。だから特別にあなたと、そしてあなたの恋人を直してあげるんです。……いえ、直すというのも少し違いますね。アプデです。大型アプデしてあげます」
エルシャ神はジェベリアを鷲掴みにし、じっと覗き込む。ジェベリアは逃げようともがこうとしたが、それもすぐにやめた。
「安心してくださいよ。次のはちゃんと良いのにするんで」
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夜(プロフ) - 素晴らしいお話、ありがとうございます。楽しみに待っています (2021年7月22日 13時) (レス) id: 1f55a4bce5 (このIDを非表示/違反報告)
つーちゃん - ください (2021年7月4日 14時) (レス) id: 84f4461b32 (このIDを非表示/違反報告)
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