第三十二話 ページ34
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『Aー？朝ごはん食べないのー？』
『んー、ちょっと待ってー』
下の階からお母さんの呼ぶ声がする。
1月6日 宮城
〔両校強気のサーブで早くも流れの取り合いが始まっています！さて羽深さん今回の試合の注目はやはり高校No.1セッターの呼び声高い稲荷崎の宮侑でしょうか？〕
インターハイの準優勝チームで、今回の春高でも優勝候補としてあがる稲荷崎高校
対
としくん率いる王者・白鳥沢学園を下した古豪・烏野高校
〔そうですね、それと今回は烏野のセッターにも注目したいですね〕
〔烏野高校 影山飛雄、こちらもユース候補になっている有望な選手ですね〕
〔中学ではあまり目立っていなかった選手ですが、これから注目度がドンドン上がって来る選手だと思います〕
昨日から始まった春の高校バレー
一回戦から烏野を主にほとんどのチームの試合を生中継で見ていた。
今日は烏野高校の二回戦
きっとこの試合を見ている大多数の人が稲荷崎の勝利を予想していると思う。
〔正に東西セッター対決−−〕
ドンッ
実況の声を遮ってテレビから流れてきた大きい音
『……すごい…飛んだ…』
〔えーっ…そ…速攻のタイミングが合わなかった様です日向翔陽〕
〔烏野高校は立ち上がりまだバタついています…かね？〕
高く、これまでよりもさらに高く飛んだ日向くん
画面越しだからよくは分からないけど、その高さは白鳥沢戦の時の比じゃないように思えた。
すごいな…日向くん、どんどん進化していく…
〔またもサービスエーーース！！強烈な2種類のサーブを操ります、宮侑ーー！！〕
さすが優勝候補…
ボールが一瞬で相手コートに飛んでいく。あんなの私なら絶対取れない。
2回目の宮侑のサーブ
またもボールは一瞬でリベロの方に飛んでいった。
次は辛うじて取るが、乱れる。
『…！』
〔ナァーイスキーおーさーむ
ナイスキーおさむ跳べ跳べおさむ
もう一本ーー！！〕
〔これは速い、ライトから宮治ーー！！〕
〔今までに無い早さでしたねー〕
〔ドンピシャのセットアップでしたねー、治君もよく打った〕
〔さすが双子の呼吸と言ったところでしょうか〕
今のセットアップは、日向くんと飛雄のそれと限りなく似ていた。
飛雄は天才だ。
だからこそ、いくら双子だからってあのセットアップは簡単にできるもんじゃない。
宮侑は化け物だ。
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作者名：にゃん吉 | 作成日時：2020年1月21日 23時
