4人は神様！？ 10

act21-2 ページ6

先代さんが天界を去ってから数日



その時のショックは、今も私の心を蝕んでいた



このままじゃいけないって、分かってるのに・・・





今でも鮮明に思い出せる、先代さんとの思い出


彼女の力強い言葉、優しく頼もしい笑顔


私は何度も助けてもらったし、支えてもらった




けれどそれは、彼女の目論見にすぎなかった




地界の人達、そして天界を苦しめてまで、彼女は自分の願望のために戦いを起こしている



余りにも身勝手で、残酷な彼女の行動



先代さんを止めない限り、戦いは終わらない





止めなくちゃ・・・、立ち向かわなくちゃいけない



頭ではそう理解していても、気持ちが追いつかない







あの日から私は、部屋から一歩も出ていない


ショックが癒えず、気持ちの整理が出来ていなかったから


皆が何度も心配して部屋に来てくれるけど、扉越しに返答をするだけで、姿を見せることはしなかった




今日も部屋の扉は閉まったままだ





夜、ベッドに横になっていると、窓の外からコツン、と何かがぶつかる小さな音がした


気になって窓に歩み寄り、カーテンを開ける





「・・・貴久・・・？」




向かいの木の上で、貴久がこちらに向けて手を振っていた


窓を開け、少し外に身を乗り出す




増田「・・・やっと姿が見れた」

「貴久・・・、どうしたの？」

増田「どうもしないけど、Aが心配だったから・・・」

「・・・ごめんね、こんなんじゃ駄目だよね・・・」


皆に心配をかけていると実感し、申し訳ない気持ちでいっぱいだった


貴久の目を見ることが出来ず、俯く

act21-2 2→←act21-1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す