act16-1 ページ33
「えっと・・・、この箱が・・・赤い屋根のお家で・・・、こっちが・・・」
メモを確認しながら、箱に入った荷物を配達する
宅配作業をしていた方が怪我をしてしまったので、街の人達が代行している
私もその手伝い中だ
加藤「こっち側の家は配り終えたぞ」
「早!ちょっと待ってね、私もすぐに・・・」
加藤「俺が荷物を運ぶから、Aは場所を教えてくれ」
そう言うと、シゲアキは私が抱えていた荷物を持ってくれた
「いいの?」
加藤「応」
「じゃあ、まずはこっちだよ」
二人で協力し、引き受けていた荷物を配り終えた
「ありがとう、シゲアキ」
加藤「これくらいどうってことねえよ」
街へ行く際、シゲアキは自分も同行すると申し出たのだ
私の手伝いをしたいとか何とか・・・
ちょっと驚いたけど、それ以上に嬉しかった
加藤「・・・なあ、A」
「何?」
加藤「本当は・・・俺と一緒にいるの・・・嫌だったか?」
「え?そんなことないよ!どうしてそう思ったの?」
そんなこと心底思っていないし、気付かずそんな態度をとってしまったのかと私は焦った
加藤「今までお前のこと突き放してきたし、酷いことも・・・たくさん言ってきたから・・・」
「・・・シゲアキ・・・」
加藤「もしかしたら・・・無理して一緒にいてくれてるのかもしれないって・・・思って・・・」
不安そうに俯くシゲアキに、私は首を横に振った
「無理なんてしてない、私だってシゲアキと一緒にいたいから、一緒に来てくれて嬉しかったよ」
私の言葉に、シゲアキは顔を上げて私に視線を向けた
「私、もっともっとシゲアキと一緒にいろんなところに行きたいな、買い物したり、お食事したり、他にも色々」
加藤「A・・・、ほんと・・・ごめんな、今までのこと・・・、謝って許されるようなことじゃねえけど・・・」
「気にしてないよ、だからシゲアキも、もう以前のことは気にしないで」
加藤「・・・ありがとう」
「過去はやり直せないけど、未来は変えていける、今まで苦しんだ分、一緒に取り戻していこう?」
私はシゲアキの手をとり、両手で包みこんだ
シゲアキの表情が和らぎ、笑みが零れる
加藤「・・・ああ、そうだな」
それから、荷物を配達し終えたことを作業リーダーの方に伝えた
宮殿に戻る途中、数人の街の人達が私達に歩み寄ってきた
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天照(プロフ) - 椿さん» ありがとうございます!凄く嬉しいです!楽しみにしていただき感謝感激です。頑張る活力をいただきました。 (2018年5月12日 18時) (レス) id: a981c9ad02 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - はじめまして!密かに読ませていただいています^^ 学校から帰って来てからの毎日の楽しみです!これからもすごく楽しみにしています!更新頑張ってください! (2018年5月11日 19時) (レス) id: d9ceb7abc3 (このIDを非表示/違反報告)
天照(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます!凄く嬉しいです!楽しんでいただき光栄な限りです。心遣い、心より感謝致します。 (2018年5月10日 19時) (レス) id: a981c9ad02 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - はじめまして♪いつも楽しく読んでます、無理せず頑張って下さいね♪ (2018年5月9日 20時) (レス) id: 86260494da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天照 | 作成日時:2018年5月8日 19時