act15-14 ページ21
加藤さんはようやくこちらを向いた
その表情は、驚いているような、困惑しているような、複雑なものだった
加藤「・・・お前に何が分かるんだよ」
「・・・私もそうでした、天界のために何も出来ない自分が・・・、足手纏いでしかない自分が・・・大嫌いでした」
加藤「・・・・・」
「そんな私を・・・、祐也や貴久、慶一郎、それに天界の人達が支えてくれました」
加藤「・・・・・」
「頑張っている自分に自信を持って、胸を張って笑っていればいいって・・・教えてくれました」
私は加藤さんに微笑むけど、彼は表情を変えずに私を見ている
それでも、目一杯の笑顔を見せた
「皆がいてくれたから・・・私はまた立ち上がることが出来ました」
加藤「・・・・・」
「今の加藤さんは・・・自分の気持ちを抑え込むことで逆に苦しんでいるように思えます、以前の私がそうであったように」
加藤さんは徐に私から目を逸らし、下を向いた
「良かったら・・・、加藤さんの気持ち、私にぶつけて下さい、溜まった感情のはけ口だと思ってもらえればいいですから」
加藤「・・・・・」
「私は加藤さんに助けてもらったのに、加藤さんのために何も出来ないなんて、不公平ですよ」
加藤さんは私の方を見ていないが、私は微笑み続けていた
加藤さんは何も返さず、断崖絶壁を吹き抜ける風の音だけが響く
加藤「・・・お前は・・・自分自身を受け入れられてるか?」
突然そう聞いてきた加藤さんに、私は思わず「えっ」、と声を出した
加藤「後悔したことや失敗したこと、いいことも悪いことも含めて、全部」
「・・・・・」
加藤「俺は・・・出来ない、自分自身をどうしても認めることが出来ないんだ」
「加藤さん・・・」
加藤「そのくせ皆の気持ちや顔色を気にして、何とかして一緒にいようとしている・・・、・・・俺自身、自分が周りにどう思われたいのかが分からない」
「・・・・・」
加藤「・・・というか、どうして自分が存在しているのかも分からない」
衝撃的な発言に、私は何も言えなかった
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天照(プロフ) - 椿さん» ありがとうございます!凄く嬉しいです!楽しみにしていただき感謝感激です。頑張る活力をいただきました。 (2018年5月12日 18時) (レス) id: a981c9ad02 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - はじめまして!密かに読ませていただいています^^ 学校から帰って来てからの毎日の楽しみです!これからもすごく楽しみにしています!更新頑張ってください! (2018年5月11日 19時) (レス) id: d9ceb7abc3 (このIDを非表示/違反報告)
天照(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます!凄く嬉しいです!楽しんでいただき光栄な限りです。心遣い、心より感謝致します。 (2018年5月10日 19時) (レス) id: a981c9ad02 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - はじめまして♪いつも楽しく読んでます、無理せず頑張って下さいね♪ (2018年5月9日 20時) (レス) id: 86260494da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天照 | 作成日時:2018年5月8日 19時