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頬を水が伝う
多分雨だ・・・
男性1「慶一郎様は・・・お一人で戦うつもりです」
男性2「・・・どうすれば・・・」
キュウキ、そして里に迫る大波を、小山さん一人でどうにか出来る訳がない
だけど私にもどうすることも出来ないし、もしかしたら・・・逃げるのが賢明かもしれない・・・
それでも・・・小山さんを置いて逃げるなんて・・・
少年「お姉ちゃん・・・、慶一郎様は・・・大丈夫なの・・・?」
男の子が今にも泣きそうな顔で、私に聞いてきた
嘘でも「大丈夫だよ」と言ってあげた方がいいかな・・・?
・・・いや、そんな言葉で誤魔化せるはずない
きっとこの子も、このままでは小山さんが危険だって分かっている
ただ誰かに「大丈夫」だと言ってもらうことで、落ち着かない気持ちを少しでも安心させようとしているだけ・・・
小山さんを助けない限り、何も解決しない
逃げたところで、玄武さん達はこれからもずっと苦しみ続ける
皆さんを・・・小山さんを助ける方法は・・・一つしかない・・・!
「皆さん!聞いてください!!」
雨の中、大勢の人に聞こえるよう、ありったけの声を出した
玄武さん達の視線が集まったのを確認する
「皆さんは・・・小山さんの様に水の盾を出すことが出来ますか!?」
少年「・・・出来るよ!」
答えてくれたのは、近くにいた男の子だった
他の玄武さん達も、首を縦に振っている
「皆さんの力で・・・波を止めましょう!!」
口で言うのは簡単だ
だけどそれがどれだけ困難なことかは分かっている
それで上手くいく見込みがあれば、かつての大波から逃げてなんかいない
案の定、玄武の皆さんは難色を示している
私が思いつく限り、他に方法はない
失敗すれば、波から逃れることは出来ない
危険すぎる提案だけど、私はこれに賭けようと思った
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天照(プロフ) - 久瑠実さん» ありがとうございます!凄く嬉しいです!しばらく更新出来ず申し訳ありません。これからまた頑張ります。 (2018年5月6日 18時) (レス) id: a981c9ad02 (このIDを非表示/違反報告)
久瑠実(プロフ) - 更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2018年5月6日 10時) (レス) id: ce7da4087f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天照 | 作成日時:2018年4月17日 19時