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act14-9 ページ28

〜小山side〜



何があったのか分からなかったが、今はそんなことを気にしている場合じゃない


波がもうすぐそこまで来ている





・・・俺一人で、止められるはずが・・・



・・・いや、やるんだ!もう俺しかいないんだから・・・!



玄武の里を・・・、大切な仲間達を・・・、一人でも守ってみせる!







波が俺の盾にぶつかる





小山「・・・ッ・・・!!」





予想通り、と言うべきか・・・




里を覆うほどの巨大な力の前に、たった一人の抵抗など、無力に等しかった




全身全霊の力を籠めた俺の盾は、瞬く間に波に押し返されてしまった


里の岩壁、木々、大地を、波は無情に飲み込み、破壊していく




あっと言う間に里は、水の底に沈んでしまった






波に飲み込まれてからしばらくの記憶がない


目を覚ました時には、ベッドの様な柔らかいところに横たわっていた


どうやら、天界の中央区域の街に運ばれたらしい


そこで、俺を介抱してくれた方に告げられた


玄武の里がどうなったのかを・・・






街の広場に、里から逃げた玄武達が集まっていた


初めての里の外に戸惑っている様子だったけど、皆無事みたいだ


しかし里は壊滅してしまっている


帰る場所は、もうない・・・





少年「慶一郎さん!無事だったんだね!」

小山「うん、ごめんな・・・、里を守れなくて・・・」

少年「ううん!いいの!慶一郎さんや皆が無事だったんだから」



そうだ、喜ばしいことなんだ


里の被害は計り知れないけど、玄武の皆は無事だったんだ


前向きに考えなきゃ・・・





男性1「慶一郎!」

小山「!」



驚いた様子でこちらを見る、玄武の戦士達


俺の無事を確認したからか、胸を撫で下ろしていた


だけど、皆暗い表情をしている



負い目を感じているの・・・?


違う、皆は悪くない!


俺が悪いんだ!すぐに逃げていれば良かったのに、俺が皆を巻き込んだから・・・


皆に怖い思いをさせてしまった・・・、罪悪感を与えてしまった・・・



男性2「慶一郎、さっきは・・・」

小山「皆無事だったんだね!良かった」


何を伝えたかったのかは、何となく想像がつく


でも今は・・・聞きたくない


どう答えていいのか・・・分からないから・・・






最低だ・・・、俺は・・・



自分が大丈夫だと思い込んで、大切な仲間を勝手に巻き込んで・・・



皆が俺を見捨てるのも、当然だ・・・






こんなことなら、誰にも頼らなければ良かった・・・

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天照(プロフ) - 久瑠実さん» ありがとうございます!凄く嬉しいです!しばらく更新出来ず申し訳ありません。これからまた頑張ります。 (2018年5月6日 18時) (レス) id: a981c9ad02 (このIDを非表示/違反報告)
久瑠実(プロフ) - 更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2018年5月6日 10時) (レス) id: ce7da4087f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天照 | 作成日時:2018年4月17日 19時

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