act14-1 ページ18
こちらから歩み寄らなければ、距離は縮まらない
という訳で、私は小山さんの部屋の前に来ている
特に用はなく、ただ挨拶に来ただけだ
・・・挨拶のためだけに部屋まで来たら、迷惑かな・・・
せめて何か、当たり障りのない会話を・・・
話す内容を考えようと思考を巡らせていると、がちゃり、と扉から音がした
「・・・あっ・・・」
小山「・・・・・!」
中から出てきた小山さんに、私は肩を上げるほど吃驚した
小山さんも反応は薄かったが、私が扉の目の前にいて驚いている様子だった
小山「・・・何か用?」
「えっ・・・、あっ・・・あの・・・その・・・、おはようございます・・・」
しどろもどろだったが、本来の目的だった挨拶は達成した
小山「・・・おはよう」
「・・・・・」
小山「・・・・・」
何か用があって来たと思っているのか、小山さんは私を眺めたまま佇んでいる
何か会話するべきかな・・・、やっぱり・・・迷惑かな・・・?
・・・一か八か、当たって砕けろだ!
「今日街のお弁当屋さんから、お弁当をいただけることになったので、持ってきますね」
小山「・・・・・」
「小山さんの分ももらってきますので、好きな食べ物とか・・・ありますか?唐揚げとか、煮物とか・・・」
小山「いらない」
素っ気なく返し、小山さんは立ち去ってしまった
会話が悪かったのか?いや・・・そもそも私と話したくなかっただけだろう・・・
溜息をつき、私は宮殿の外に出た
そもそも、私は小山さんのことを何も知らない
玄武とかそういうことでなく、どういう性格の人だとか・・・
まあ、今まで全くと言っていいほど関わりがなかったから、知らなくて当然だけど・・・
今度、祐也と貴久に小山さんのことを聞いてみよう
それから街のお手伝いをして、時間を過ごす
蔑むような目を向けられることもあるけど、優しくしてくれる人もいる
皆の明るい笑顔には、いつも元気をもらっています
宮殿に戻ると、誰かが敷地内の長椅子に座っているのが分かった
近づいて、その姿を確認する
「・・・小山さん?」
私は恐る恐る、小山さんに歩み寄った
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天照(プロフ) - 久瑠実さん» ありがとうございます!凄く嬉しいです!しばらく更新出来ず申し訳ありません。これからまた頑張ります。 (2018年5月6日 18時) (レス) id: a981c9ad02 (このIDを非表示/違反報告)
久瑠実(プロフ) - 更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2018年5月6日 10時) (レス) id: ce7da4087f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天照 | 作成日時:2018年4月17日 19時