第35話 ページ37
私はありったけの勇気を振り絞って、気になっていたことを口にした。
『あ、あの…ヴィルさん？』
ヴィル「？」
ヴィルさんの視線はノートから外れ、私を捉えた。
その視線の移ろいですら美しく、緊張を覚える。
『どうして……その、隣に…？』
図書室に人は全然居なかった。
空いている席は沢山あるのに…。
ヴィル「アナタとお話したかったからよ。」
『えっ？』
ヴィル「アナタ、名前は？」
私…ヴィルさんに名前を聞かれてる…？
余りにたくさんの事が起こりすぎて私の脳みそはキャパオーバーだった。
『A・リコレット…です。』
ヴィル「そう。A。」
ヴィルさんに名前を呼ばれて、心臓がドクンと鳴る。
ヴィル「知っているようだけど、アタシはポムフィオーレ寮のヴィル・シェーンハイトよ。改めてよろしく。」
『はわ………夢…、？』
目の前で微笑むヴィルさんが
私の名前を呼んだヴィルさんが
眩しくて綺麗で
私は夢を見ているんじゃないかと本気で考えた。
ヴィル「ふふ、違うわよ、馬鹿ね。」
ううん、私にとっては夢だ。
だって、あんなに恋焦がれた人が私に笑いかけてくれているのだから。
これもイメチェンのお陰なのかなぁ。
こんなにも、世界が変わるものなの？
ヴィル「あ…勉強の邪魔をしてごめんなさいね。」
ヴィルさんの声ではっと我に返る。
『あっ、いえ全然！』
ヴィル「今日のところはアタシはそろそろお暇するわ。
また明日、A。」
そう言い残すと、ヴィルさんはコツコツとそのヒールを鳴らし、図書室を出ていった。
一気に気が抜けて私はやっと酸素が吸えたような感覚に陥る。
『な、何が起きたの。』
出来事を整理しようとするも無理だった。
脳内は真っ白だ。
『また、明日…。』
ヴィルさんはそう言い残して行った。
それは一体どういう意味なの…？
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りんご - 自分に自信がなくっても変われちゃいますよね…！ツイステ関係なく一つの物語として楽しませてもらえました！！続きがとっても気になりますね！！私も主人公みたいに自分磨きやってみようと思います！！素敵な物語ありがとうございます！！ (7月31日 16時) (
レス) @page46 id: 7720c64697 (このIDを非表示/違反報告)
どこかのだれか - アリアちゃんの姿ビフォーアフター欲し((((((まだ言うか あと大好きすぎる。俺のめっちゃタイプ (2021年2月24日 20時) (レス) id: 0560b64175 (このIDを非表示/違反報告)
full.(プロフ) - 有川 なつめさん» 確かに真逆すぎるヒロインですね笑笑笑。そういう風に解釈とか考察とかもらえるの嬉しい…！ありがとうございます！ (2021年2月22日 23時) (レス) id: 73b8919793 (このIDを非表示/違反報告)
有川 なつめ - 一見みんなヘーゼル様だけじゃなくてアリアちゃんにも惚れてるやん、って思うかもだけど、この面では、2人が同一人物説は都合がいいよ。やっぱ美しいオーラはなかなか変わらないのかな？ (2021年2月22日 22時) (レス) id: b1989a31af (このIDを非表示/違反報告)
有川 なつめ - この子ヘーゼル様の本名&昔の姿説だったらなんかエモいと思う。なんか監督生に、美は異性をねじ伏せるために使うものじゃないって伝えるためにまた名前と姿変えてNRCに戻ってきたのかも（んなわけないだろ) (2021年2月22日 22時) (レス) id: b1989a31af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：full.
| 作者ホームページ：http://utanai.nosv.org/u.php/hptyomatu/
作成日時：2020年11月9日 18時
