その先へ～I'd like to approach～ (ページ44)

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いきなりの大収穫ページ44

奥に進むと、雑貨屋さんからカフェまでの間が中庭みたいになっていて、外も中も利用できるようになっている

今日みたいに天気がいいと外の方が気持ち良さそうだ

それでも、男の人が一人で来づらいような雰囲気はなくて、むしろ、読書をしたり、ノートパソコンで作業をしている人は男性が多かったりする

「あの、櫻井さん？全然、一人でも来れそうですけど…」

『うん、そうなんだけどね…あれが食べたいんだよ』

そう言って櫻井さんが指差したカフェの入り口には…

≪女性人気 №１♪レアチーズロール～アイス添え～≫
と書いてあるポスター

どうやらロールケーキの生クリーム部分が
レアチーズになっていてるらしい

『俺、チーズケーキ好きなのね。それでロールケーキも好きなんだけど…俺にとっては夢のような組み合わせなわけ！でも、女性人気 №１なだけあって、周りみるとやっぱ女性しか頼んでないの(笑)』

「ふふふ。じゃぁ、お昼は軽く済ませて、デザート頼みましょうか。ここ軽食も豊富でハーフサイズもあるみたいですし」

席に案内されて注文を済ませると

『ありがと！マジで嬉しいよ！こんな事頼めるのAちゃんしか居ないからさ～』

「またまた～。本当は彼女とか居るんじゃないんですか？会社でもモテモテですよ？」

そう、ルックスも良くて、仕事もできて、社内の女性全員が櫻井さんの隣を狙っている

最近まで天音先輩と付き合ってるって噂されていたけど、それはこの間の先輩の発言でガセって事がわかったし

だけど、プライベートを中々見せない人だから、みんな彼女がいるのか…いないのかすら知らない

『あのねぇ。俺、そんなモテないよ。社会人なってすぐの時に、大学から付き合ってた彼女と別れてそれっきりだし』

「えっ！？じゃぁ…」

『うん、もう７年近くいないかなぁ～。仕事ばっかり！ってフラれたけど、一年目って覚える事いっぱいじゃん？彼女も就職してたから分かってくれてる。って思ってたんだけどね～。そういうAちゃんは？お礼とはいえ、休日に俺みたいなのに付き合ってていいの？』

「みたいなのって…そんな、櫻井さんじゃなきゃ、休日ＯＫは出しません！」

『それはそれは、光栄です(笑)』

≪お待たせ致しました～≫

なんか勢いでとんでもない事を言ったような気がするけど

ちょうど店員さんが来て会話が途切れた

「いただきます」と言って顔を上げると

あの日と同じように
口元を手で隠す櫻井さんと目が合った