思い出した5年前の出来事＊[N side] ページ13
教育期間は約二ヶ月しかない。
最初の自己紹介で一目惚れした、
【中里天音】
まさか年上に一目惚れするとは思わなかった…
誰にも言えないな…って思ってたら
隣で同じようなヤツがひとり…(笑)
それから、週末の仕事終わりに
飲んで、お互いの情報交換するのが
いい気分転換になってた。
仕事の内容も覚えてきた頃…
高校の野球部で一緒だった
仲の良い先輩と社員食堂で再会した。
まさか同じ会社だったなんて。
その先輩からも、しっかり情報をもらって
さらに、的確に覚える事ができた。
要領よくやらなきゃ、出世なんてできないし
そんな時、噂のあの査定がやってきた…
何となーく気づいちゃったんだよね。
まぁ、咲坂は知らなかったみたいだけど…
相葉先輩に聞いててよかった。
たまには役に立つことも
教えてくれるんだな(笑)
咲坂に何か手伝う？って聞いたら
とりあえず大丈夫。って言われて
内容確認したら、咲坂一人で
全然出来るような仕事だったから、
任せる事にした。
締め切りが近くなった頃…
西澤と相坂が呼ばれて
なにやら、注意…いや、怒られてるのかな…
まぁ、俺には関係ないや…
咲坂が俺に話しかけようとした
タイミングで中里さんから呼ばれて
バックアップ取っとけって言うから
あの噂は本当で、
あの時櫻井さんが咲坂に頼んだ仕事が
査定だったんだ、って確信した。
次の日、いつものように、
おはよう。って声かけても上の空で、
PC画面を見ながら固まってて…
データ消されたのか…？
まさか本当にこんな事するやつが
未だにいるとは…
もちろん、バックアップは取ってたけど、
まさか、自分がこんな事されるって
思ってなかったんだろう…
咲坂大丈夫かな…
『二宮、おはよ。咲坂さんから、データの件聞いてる…？』
櫻井さんも気づいたのかな…
咲坂のPC見ながらため息ついてるし。
「櫻井さん、咲坂なら大丈夫っすよ？こんな事位でダメになるようなやつじゃないし。多分今頃、やり返す計画でも立ててますよ」
『二宮がそこまで言うなら、大丈夫かもな(笑)あっ、中里ちょっと待って。これさ、一緒に持っていって。ここの、自販機のクセにウマイからさ＿＿＿ 』
櫻井さんって、仕事もできて、
いつも周りの状況確認してて
単純にすげぇなって。
この時ひそかに決意したんだ。
絶対この人に着いていこう。
そして、仲間を大切にしよう。
って。
特別な一番奥の自販機→←思い出した5年前の出来事〜優しい上司とカフェラテ〜
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作者名：二葉(ふたば) | 作成日時：2018年2月16日 23時
