アイランド家 ページ2
side:志麻
父さんたちの会議から数年。
今も俺達アイランド家とスロープ家は戦い続けている。
なぜ、このようなことになったのだろう...
父さんの思いを継ぐのは俺しかいない。
けれど、この意味の無い馬鹿げた戦争を終わらせるのが、俺の役目ではないのだろうか。
ふたつの思いが俺の中で交差する。
サカ...昔は俺達とても仲が良かったのに。
なぜお前と争わなくてはいけないんだ。
一緒に王国を守る。そう約束したというのに...
コンコン...
センラ｢シマ様、アイランド軍の戦績についてお話が...｣
不意にドアのノック音と、聞きなれた高音が耳に入って現実に戻される。
志麻｢構わん、入れ｣
失礼します、とだけいい、部屋に入ってきたセンラは俺の好きなラベンダーティーとグレープクッキーを携えていた。
志麻｢さすがセンラ。いつもありがとうな？｣
センラ｢いえいえ。...我が軍はほぼ全員無事でありますが、最近スロープ家が何も戦いを仕掛けてこないのが気になりますね...｣
志麻｢そう...だな。まさか、サカも本当は戦いたくなくて、勝負を仕掛けてこないんじゃ...｣
センラ｢そんなわけありませんよ。今まで何度我らの軍がスロープ軍に傷つけられたとお思いですか｣
センラはスロープ軍にセンラのことを裏切った軍人がいるらしく、いつもこんな調子だ。
センラもなんか勘違いしてそうやけどなぁ...
俺とサカが、争う理由なんてどこにもないことみたいに。
志麻｢なぁ、センラ？スロープ家の屋敷に行って、直接サカとこの戦いはやめにしようと言いに行けばいいんじゃないか？｣
センラ｢何を言い出すかと思ったら...シマ様、スロープ家は敵です。そんな真似をすれば殺されてしまいます｣
志麻｢っ、そうか...｣
センラ｢...スロープ軍が大人しい今のうちが、センラは狙いどころだと思いますがねぇ｣
志麻｢センラ！！！！｣
思わず怒鳴ってしまった。
せめて戦うなら正々堂々と宣言してからしたい。
サカの寝込みを襲うようなことは、絶対にしたくはないんだ。
センラ｢...すみません、失礼します｣
センラは怒鳴られたことに衝撃を受けたのか、ティーポットと菓子を置いたまま、部屋を出ていった。
誰もいなくなって、シン、とした部屋に何故か胸が痛くなって、俺はベッドに横になった。
サイドテーブルには、常にサカとの思い出のアルバムが置いてある。
見つかったらさすがにやばいから、いつもは隠してるけど。
志麻｢サカ...お前はどうしたいんだ｣
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kotonesama_tnk(プロフ) - はじめまして。先程こちらの作品を見つけて読ませていただきました。親同士のせいでの子の代まで続く対立…なんかこう…グッときます。良ければ続きの方、出していただけないでしょうか。ご検討の程宜しくお願い致します。 (2020年11月19日 22時) (
レス) id: 66a6a6935b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SURUMEα | 作成日時：2019年12月15日 21時
