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【Noside】






『....え、何?なんか顔についとる?』





銀時や土方だけじゃなく、沖田や新八、神楽といった

全員からの視線に気づいたAは若干焦る



実はここにいる全員Aの顔を見た事がなかった



初対面のお妙は仕方ないが、攘夷志士宴会騒動の時から

何回か会う機会があった万事屋


松平に呼び出され屯所に来ていたAと

よく会っていた真選組



両者とも、いつも笠を目深に被り

口まで隠しているAの顔は全く見れていなかった





風に煽られ、現れた糸目

その、不思議と目を引く閉じられた瞳


桜吹雪に靡く艶やかな黒髪






『おかしいな、みんな壊れてもうたわ』






くすくすと口に手を当て笑うA


酒が入り、酔ってはいないものの若干紅くなっている頬

……少し煽情的な薄紅色





『旦那、笠そこに置いとってくれへん?

無くなったらちょっと困るんよ』





声をかけられ、やっと意識が戻ってくる銀時





銀時「お、おう」





それを皮切りに皆も花見を再開した














新八「……山崎さん、

Aさんの顔見た事ありましたか?」




山崎「いや、無いよ……さっき初めて見た…」




新八「ですよね…

あの、Aさんの性別って分かります?」




山崎「……男だと思ってたけど…分かんないかも…」




新八「ですよね……」














『1人花見酒もええけど

そろそろ誰かに酌でもしてもらいたいなぁ』





桜の木から降りて、再び笠を被ったA






神楽「あ、A!!」




『お、神楽ちゃんやん、どないした?』




神楽「お前めっさ顔いいアルナ!

でも、男アルカ?女アルカ?分からなかったヨ」




『おぉ、おおきに

顔で褒められるとは思っとらんかったわ』




神楽「私中身も好きアルヨ!

酢昆布買ってくれるし、料理美味いアル!!」




『(うん、新八くんもええ子やけど

神楽ちゃんもごっつええ子やな


なんでこないな子があの旦那の所に居るんやろ)』

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作者名:か。 | 作成日時:2022年2月6日 0時

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