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ここまで来た。この舞台まで、来ることが出来た。
小学生から始めたバレーボール。毎日が楽しくて仕方がなかった。
でも、中学生で壁にぶち当たって、心が折れた。
そして高校生。
── うちに来たら、世界のバレーを見せてやる。
だから烏野のマネージャーになれ。
バレーに戻ったけど、選んだのは裏方。
── お前の望む景色を特等席で見せてやる。
裏方でも、バレーの頂点を目指した。
そんな中で、大好きな人に出会って、初めての恋をした。
── お前に世界のバレーを見せてやるのは、絶対俺だって、思ってた。
でも、また新たな夢ができた。
──お前は、お前自身の力でも世界に行ける。
前を歩く飛雄くんの背中を眺めながら、高校時代の事を思い出す。
あの時からずっと目標にしていた、世界。
毎日が宝物だ。あの時間がなかったら、間違いなく私はここにいない。
マネージャーとしての私を迎えて、プレーヤーとしての私を送り出してくれた、支えてくれた皆への恩返しを、少しでも出来ているだろうか。
── 全日本に入れば、肩並べて、同じ立場で同じ景色が見える。
──それができるなら、俺は、お前と一緒にその景色を見たい。
私も同じ景色を見たくて、ひたすら努力を続けた。
自分の実力に歯痒さを感じたこともあったけど……
──待ちはしねぇからな。
「おい。」
ハッとして顔を上げると、いつの間にか飛雄くんはずっと前を歩いていた。
思い出にひたっているうちに置いていかれていたみたいだ。
飛雄くんは私に振り返り、足を止めて待ってくれていた。
「置いてくぞ。」
「──……っ」
ねぇ、飛雄くん。
私は今、確かな実力を得て、飛雄くんの横に胸を張って並べてるよね。
並んでみる景色は、やっぱりとてもとてもわくわくして、楽しくて、最高だって、感じてる。
ここまで連れてきてくれてありがとう。たくさん支えてくれた人達にも、心からありがとう。
私は最高の景色を、最高の環境で、大好きな人と一緒に、見ることができるよ。
「今行く！」
走って飛雄くんの横に並ぶ。
そして、飛雄くんと一緒に、記者会見が行われる会場の眩しい光の中へ、足を踏み入れた。
おわり
＊＊＊＊＊
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しおり(プロフ) - りんさん» ありがとうございます！ネタ考えます🤔 (2022年11月30日 8時) (
レス) id: 0e2f0640dd (このIDを非表示/違反報告)
りん - マジで面白いです！いつも楽しみの更新待ってます (2022年11月27日 20時) (レス) id: e34fa82e55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおり | 作者ホームページ：http://nanos.jp/amakusa40/
作成日時：2022年10月10日 21時
