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「お前の力もあって、俺たちはここまでこられたと思ってる。」

「それに、烏野のAがどんどんおっきな選手に成長してってくれたのが何より嬉しかったぞ!」

「マネージャーとしても、人としても、Aちゃんに教えてもらったこと、たくさんある。本当にありがとう。」

「Aもあがり症なとこあるだろうけど、仲間がいれば大丈夫だ。これからは新山女子で頑張れな。」

「……っ」

あまりにあたたかい言葉を受け、目頭が熱くなるどころか目に涙の膜が貼ったのがわかった。
慌てて上を向いて耐えると、「お、耐えてる耐えてる」と菅原先輩の笑う声が聞こえる。
今日は泣かないと決めたんだ。そのために来たんじゃないんだから。

「わ、私がしたことなんて、大したことないです……」

「せめて前向いて言ってくれよ」

とはいえギリギリの状態で、上を向いたままなんとか言葉をひねり出す。
苦笑交じりにキャプテンのツッコミを受け、何度も瞬きを繰り返して涙を飛ばした。
大きく息を吸って、前を向く。

「こちらこそ、ありがとうございました!」

言って、深く深く、頭を下げた。
何度でも言う。私だって烏野での経験が無ければ、今こうしてここに立ってはいないだろう。
1年にも満たない、短い時間だったけど、間違いなくかけがえのない、宝物だと思う。
顔を上げた時には、何とか涙は引っ込んで、先輩たちに笑顔を向けることが出来た。

ここでの選択や結果が、この先10年20年後の自分にとって正解だったかどうかなんてわからない。
だったらこの現実を、未来を、正解にしていくために何ができるのか考えた方がいい。
だから私は突き進むんだ。皆の想いを受け取って、私がした選択を正解にする。
それが先輩たちにできる、最大の恩返しなのだから。

マネージャーとしての私が終わって、プレーヤーとしての私が生まれた。
ある意味で、一つの物語の結末を迎えたような、そんな気がした。



*****
次回で最終回です

第67話:世界へ→←5



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設定タグ:HQ , 影山飛雄 , ハイキュー   
作品ジャンル:恋愛
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しおり(プロフ) - りんさん» ありがとうございます!ネタ考えます🤔 (2022年11月30日 8時) (レス) id: 0e2f0640dd (このIDを非表示/違反報告)
りん - マジで面白いです!いつも楽しみの更新待ってます (2022年11月27日 20時) (レス) id: e34fa82e55 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しおり | 作者ホームページ:http://nanos.jp/amakusa40/  
作成日時:2022年10月10日 21時

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