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「多分、話せて10分くらいだと思いますけど……」
上下関係が厳しい新山女子のことだから、きっとAと言えどそう無理はできないはずだ。
言いながら顔を上げると、なぜだかAの返事に聞き耳を立てていた菅原さんと西谷さんが俯き、顔に黒い影を落としていた。
「影山、今のはダメなやつだ……」
「ダメっスね……」
かと思えば、ポンと肩に手を置かれ否定された。
Aは会いたいと言ったのだから何もダメなところは無いはずだ。
なのに、お前ひとりで行ってこい。と、2人は声を揃える。
「ちょっと、会うか……。」
「うん、会う！会いたい！」
「……」
きりと表情を引き締めた西谷さんがカッコをつけた様子で俺の真似をし、次いで菅原さんが体をくねらせAの声色の真似をしてみせた。
Aの声が聞こえていなかった全員が、突然始まったその寸劇を黙って見ている。
そして、
「……ってそんな喜び方されて俺たちが出て行けるかよ！？
あらかたお前から誘うのめちゃくちゃめずらしいとかそんなんだろ！？
Aは絶対お前と会えることが嬉しくて、声掛けてもらえたのが嬉しくて喜んでる声だったろばか！！このバカゲヤマ！！」
「お前って奴は……憎い男だぜ影山……！
Aとキャッキャウフフしてこい俺が許す！！」
全員散れ！解散だ解散！となぜか半ギレ状態の菅原さんが言い、西谷さんがぐいぐいと俺の背中を押す。
謎の許しを得た俺は、やはり謎に皆に見送られながら宿を半ば追い出されるようにして外に出た。
菅原さんになぜ俺からAを誘ったことがないのがバレたのかも謎だ。
一部始終首を傾げながら、とは言っても5分後の約束だったからAもまだ降りてきていないだろう。
「あれ！？早かったね……」
「……」
そう思っていたのに、Aは既にホテルの入口に立っていた。
すいと顔を上げて俺を捉えたAは、驚いたように目を丸めていた。
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しおり(プロフ) - りんさん» ありがとうございます！ネタ考えます🤔 (2022年11月30日 8時) (
レス) id: 0e2f0640dd (このIDを非表示/違反報告)
りん - マジで面白いです！いつも楽しみの更新待ってます (2022年11月27日 20時) (レス) id: e34fa82e55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおり | 作者ホームページ：http://nanos.jp/amakusa40/
作成日時：2022年10月10日 21時
