第60話：春高バレー1日目 ページ14
第60話
春高バレー1日目。新山女子はシード校だから、試合自体は2日目からだ。
結局お父さんとお母さん、先生たちとも相談して、春高バレーの間は授業をお休みすることにした。その分、遅れた分の勉強もちゃんと頑張ると約束して……。自信ないけど……。
宮城から東京という、決して近くは無い距離の移動の疲れもあるから、東京の体育館で明日に向けた調整をして、私たちはホテルへと向かった。
「あっ」
「あ！」
と、バスから降りてホテルに足を向けた時、まさかの烏野ジャージが見えて、思わず声を上げた。同時に、前を歩いていた叶歌先輩も立ち止まる。
そういえば叶歌先輩は田中先輩と幼馴染なんだっけ。思わず叶歌先輩と顔を見合せ、
「ちょっとだけ……」
「は、はい、ちょっとだけ……！」
こそりと移動の列を抜けた。
「あ！Aさん！」
叶歌先輩は田中先輩の方へ、私は幸いにも固まっていた1年生組の所へとかけていく。
まさか隣の宿に烏野の皆が泊まっているなんて思ってもみなかった。
ひょこと物陰から顔を覗かせれば、真っ先に気づいてくれたのは日向くんだ。
ぴょんと跳ねて大きく手を振っていて、次いで影山くん、月島くん、山口くんも私に気づいてくれた。
「お疲れ様！1回戦突破おめでとう！さすがだね。」
烏野の1回戦、新山女子は体育館で調整中だったから、どんな内容だったのかは見れてないけど。終わったあとすぐに影山くんがメールをくれていて、いち早く勝敗を知ることが出来た。
皆はわざわざ近づいて来てくれて、なんとも言えない懐かしさに浸る。
学校では毎日のように見かけるし、話すことだって珍しくない。
でも、もうバレー部に顔を出さなくなって1ヶ月と少しだろうか。マネージャーだった頃のようなこの光景は、久々に感じた。
「女王様は遅れての登場に加えて高級ホテル滞在デスカ……。とても同じ県の代表とは思えないよね。」
「Aさんはレギュラー？！明日試合出んの！？」
「いや、Aさんはまだ編入してないから出られないってこの間話してたじゃん。」
月島くんの少し嫌味な話し方も、日向くんと山口くんのやりとりも、全部が嬉しくて、ふふと笑いが漏れる。
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しおり(プロフ) - りんさん» ありがとうございます！ネタ考えます🤔 (2022年11月30日 8時) (
レス) id: 0e2f0640dd (このIDを非表示/違反報告)
りん - マジで面白いです！いつも楽しみの更新待ってます (2022年11月27日 20時) (レス) id: e34fa82e55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおり | 作者ホームページ：http://nanos.jp/amakusa40/
作成日時：2022年10月10日 21時
