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HRが始まると、先生から転校生が来ると言われた。ドアを開けて入ってきたのは、星野くんたち三人だ。
三人は先生に言われて軽く自己紹介をした。知的な男性が大気光さんで、中世的な顔立ちをしているのが夜天光くんというらしい。
「分からないことがあったら教えてあげなさい」
先生の話は、教室にいる半数以上の人が聞いていない。それよりもみんな、彼らと同じクラスになれたということに興奮が治まらないようで、いつもより落ち着きがない。
「では、空いてる席に...」
席を探すべく、先生が教室内を見まわしていると、元気よく手を上げて隣が空いてることを主張する人がいた。美奈子ちゃんだ。夜天くんのファンなのか、彼の名前を呼んでいた。
大気さんは自分で席を探して腰かけている。そこは、まこちゃんの前の席だった。
「じゃあ、俺ここ」
星野くんは私の隣で、うさぎちゃんの後ろの席に腰かけた。
三人の席が決まると、先生は授業を始めていく。
授業開始から少し、星野くんに声をかけられた。なんでも、部活に入りたいから良いのはないかとのこと。でも生憎、私は部活に所属していないので詳しくない。うーんと考えていると、うさぎちゃんが入ってきた。
「ちょー楽しくて歌って踊れて、お菓子食べられて、ちょーかっこいい男の子がちょーいっぱいいて、アメリカにも行ける部活なんてないわよ」
それはうさぎちゃんが入りたい部活だ。星野くんもなんだそれと、そもそもそんな部活がある学校はあるのかと言いたげな表情をしていた。
「あのーよかったらご案内しますけど」
そう言ったのは、美奈子ちゃんだ。堂々と授業中に席を立ち、話に加わってきた。
「そこ、授業中だぞ」
当然、先生に注意を受けていた。美奈子ちゃんは、すみませんと謝りつつ席に戻っていった。
「おまえらも案内してくれるだろ?」
「え?」
「じょーだん!」
案内にそんなに人数は要らないと思っていたので、星野くんの言葉に驚く私と、きっぱり嫌だと言ううさぎちゃん。でも私も放課後は帰りたい気持ちが強い。何より今日は、ほたるちゃんとの用事もあるし...
よし、私も断ろうと思った時、またもや美奈子ちゃんが顔を出し、なぜか私とうさぎちゃんも一緒に案内すると約束を勝手に取り付けていた。
そして当然、先生位に注意を受けた。もちろん、話をしていた私たちも一緒に。
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作者名:SHION* | 作成日時:2022年10月20日 22時