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いつも通り任務をこなした。
今回は比較的弱い呪霊だったから無傷だった。
任務を終えて1時間半かけて高専…寮に帰ると共同スペースに悟さんがいた。
サングラス越しに見る手元には女性の裸が大きく載っている雑誌が開かれていた。
僕が足を一歩踏み出すと、悟さんは雑誌に向けていた目を僕に向けた。
悟「A?外出してたの?おかえり。」
『はい。ただいま戻りました。』
悟さんは開いていた雑誌を閉じてそのまま机にポンッと音をたてて置くと僕に手招きをした。
不思議に思いながらも悟さんに近づくと悟さんは自身が座っている横を手でポンポンと軽く叩いた。
……座れと言うことかな?
人一人分開けて控え目に座ると、悟さんは少し眉を寄せて不服そうな顔をした。
『…何か御用でしょうか?』
悟「いや別に。」
僕から目を離した悟さんはサングラスを外してそのまま机に置いてからソファに身を預けるように上半身を倒した。
そして暫く間を空けて「お前さ……」と口を開いた。
悟「……家の事情だがなんだが知らねぇけど自分の事は大事にしろよな。あんまり自分を虐めんなよ」
静かな共同スペースにその声は溶け込むようによく響いた。
『それは…どういう事なのでしょうか。僕には理解が出来ません。』
悟「そうやっていつまでも逃げんなよ。」
……理解が出来なかった。
だって理解したらいけない事だと思うから。
理解してはいけないように教えられたから。
理解したら僕はダメになる。
家を出てまだ2日しか経ってないのにもう3人に頼りきりなんだ。
これ以上は……本当にダメになる。
『………すみません、やっぱり僕には理解が出来ません。』
そう言うのと同時に背中に少しの衝撃がきた。
視界はぐるんと変わり天井と悟さんの悔しそうな表情が目に入った。
さっきまで体を倒していたのに…音1つ鳴らさずこうやって、いとも簡単に僕を押し倒せるんだ。
あぁ……やっぱり貴方は僕なんかが守らなくても全然…………
悟「なんでっ……俺は、俺らは!!お前が一言言えば…なんでもしてやれるのに…………」
静かな叫びだった。
表情1つ変わらない僕、今まさに悲痛な表情をしている悟さん。
『僕には理 悟「そうやっていつまでも逃げんなって言ってんだよっ!」……』
僕を押し倒し、馬乗りになったまま悟さんは顔を下に向けた。
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終わりの芝生(プロフ) - きゃんでぃべあさん» 夏油くんなら真顔で人の精神余裕で抉ること言ってきそうだなって思ったので……ありがとうございます!頑張ります! (2021年1月11日 16時) (レス) id: 7df2fd8f18 (このIDを非表示/違反報告)
終わりの芝生(プロフ) - 成瀬さん» ありがとうございます!! (2021年1月11日 16時) (レス) id: 7df2fd8f18 (このIDを非表示/違反報告)
終わりの芝生(プロフ) - トサカ頭に悪い奴はいないさん» うわぁ!嬉しい!!ありがとうございます!!頑張ります! (2021年1月11日 16時) (レス) id: 7df2fd8f18 (このIDを非表示/違反報告)
終わりの芝生(プロフ) - 黒猫静さん» ありがとうございます!神だなんてとんでもない笑頑張ります! (2021年1月11日 16時) (レス) id: 7df2fd8f18 (このIDを非表示/違反報告)
きゃんでぃべあ(プロフ) - 夏油くんのぶりっ子ちゃんに対しての言葉が面白かったです(笑)ストーリー性めっちゃ好きです!更新頑張ってください! (2021年1月10日 18時) (レス) id: f7948ae81a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:終わりの芝生 | 作成日時:2020年12月30日 13時