【呪術廻戦】壊れかけの人形【男主】

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場所は病院…の近くの墓地。


そして目の前にいるのは明らかに特級。


"ｫﾊﾅヲ添えﾃよｫー"


『っ！！』


コイツ、早い。


銃弾を打つ前に颯爽と姿を消す。

けどこの場から逃げる様子はない。

辺りは暗く周りがよく見えない。


集中して呪霊の気配を探さないと……


"枯レﾁｬｯﾀよｫ"


『上か！！』


持ってきた短刀を上に投げつける。

幸いにも短刀はあと3つあるから1つや2つ無くなったってどうってことはない。


"ｫ花クレナｲのｫｫ？"


『っ…！』


気づいたら呪霊は目の前にいた。


脇腹辺りに何かが貫くような感覚。


近距離戦は苦手なんだよ。



そのままもう1つの短刀を振り下ろし脇腹辺りに刺さっていた物を切り落とす。


……蔦のようなトゲトゲしたものだった。


『バンッ！』


すかさずもう一度銃弾を放つが再び持ち前の素早さで避けられてしまった。


けれど呪霊が体制を崩した。

その隙を狙って短刀を突き刺した。



『…………』


明らかに呪霊に刺した筈なのに手応えが無さすぎた。

『……っ！？』


腕を引っ張られるような感覚。


そしてそのまま空中に放り投げられ仕舞いに地面に叩きつけられた。


月がよく見える雲がない空。



呪霊はそのまま地面に倒れている僕の肩を蔦で貫いた。

痛くは無いが冷たくなっていくような感覚はある。


"お花ｶﾞﾎｼかッタナァ"

『……そう。』


呪霊はもう勝ちを確信したんだろう。


急所をわざと外しどんどん僕の体を貫いていく。


勝ちを確信した敵ほど隙のある敵はいない、ってどの本で読んだんだっけ……。


『……バン。』


至近距離で打ったんだ。当たらない訳がない。


目の前の呪霊は苦しみ始めた。


錆びたおもちゃの用に動きにくい体に鞭を打ち呪具でとどめを刺した。


すると呪霊は弾けるように祓われた。


散々甚振られたけどなんだか呆気なかったな……




時刻は午後10時。


血や土まみれの服を洗わなくてはいけないし、傷の手当もしないと。


と思っているのに体は泥のようにどしゃっと地面に倒れた。


早く帰らないと行けないのになぁ。



あと4、5時間すれば傷が塞がってくるだろう。



幸いにもここは古い墓地。


少し寝てたって誰も通らないだろう。


取り敢えず、近くに落ちていた鞄の中から薬を取り出して口に含む。


そしてそのまま噛み砕いた。



『……にが』




自分から流れ出る血液は暖かいのに体は冷たい。



そんな事を思いながら目を閉じた。

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