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伊弉冉一二三編 君の酸素で息をするEp3 said Heroine ページ19

昨日、あの後にもう一度寂雷先生が私の部屋を訪れた

「君が入院している理由を伝え忘れたんだけど、何故か分かるかい?」
『いえ、分かりません。』
「君は昨夜家で倒れていた。それを発見したのが独歩君だ。」
『…独歩が。』
「原因は不明だ。ただ、外傷はないから当分は検査入院という事になっている。」
『いつ、退院出来ますか?』
「何もなければ3日で退院出来るよ。」
『そうですか。それは安心しました。』





寂雷先生は退出し、私は病室で一人になる

『3日か、退屈だ…。』







そして入院生活2日目が始まった

私は小説を読んでいた
偶々本屋で手に取った小説なのだがこれが中々面白い
人間の心理描写や時折混じる嘘が良い頭の体操になる
昨日独歩に持って来させたんだけど作者を見るなり顔をしかめた
知り合いかな?

作者は、へぇ、夢野幻太郎って名前なんだ
知らないな
他の作品も買ってみよう

その時
コンコンとノック音が聞こえた
『どうぞー。』
私は読みかけの本に栞をしてサイドテーブルに置く

「し、失礼しまーす…。」
『あれ?一二三君だ。独歩は一緒じゃないの?』
「あ、独歩は仕事で。お、俺っちは今日遅番だから。」
『そっか。一二三君は何の仕事してるの?』
「俺っち、ホストやってるんだ。」
『え!?……理由を聞いても?』
「…うん。俺っち、女性恐怖症だから少しでも克服したくて。」
『へぇ、なんていうか、偉いね。』
「え?」
『昨日の君を見てたらかなり根深い恐怖症だったのにそれを克服するためにわざわざ茨の道に進むなんて、中々人に出来る事じゃないよ。凄いな、尊敬する。』
「そ、ソンケーだなんて!お、俺っちはただこのままじゃ嫌だから…!」
『でも進んでやる人はいないんじゃないかな?それって一二三君が思ってるより凄い事で誰にも真似出来る物じゃないよ。もっと誇って良い物だよ。』
「あ、ありがとう。」
『うん。でも、その様子じゃ私は平気なんだね?』
「だからね、これを機にもっと良くなればいいなぁ、って思って!」
『へぇ、つまり実験体かな。』
「ち、違っ!…わないけど、そんなんじゃなくて…!」
『ふふ、冗談だよ。』
「な…!…独歩ちんが言った通りだ。」




一二三君はどうやら私に打ち解けてきたらしい
どんどん話すようになった



あとがき
元々、独歩の友達という事で恐怖感は皆無だったんだけどやっぱり女の子だから身構えちゃうひふみん

誉め殺しの回

伊弉冉一二三編 君の酸素で息をするEp3 said Hifumi→←伊弉冉一二三編 君の酸素で息をするEp2 said Heroine and Hifumi



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おこめ(プロフ) - 犬田さん» コメントありがとうございます!ほわぁっ!?こんな駄作を面白いと評価していただいてありがとうございます!ご期待に添えるよう頑張ります! (2019年12月11日 7時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - タイトル見てすっ飛んできました。新鮮なお話でめっちゃ面白いです~!これからの展開が物凄く気になります。更新応援してます! (2019年12月10日 23時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - 猫腹さん» コメントありがとうございます!凄く励みになります!頑張りまぁっす!! (2019年12月7日 20時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
猫腹(プロフ) - 初コメ失礼します。凄く好きです、頑張ってください (2019年12月7日 19時) (レス) id: 437f4e7ef6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おこめ | 作成日時:2019年12月5日 23時

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