誰もが誰かを想ってる 二 ページ34
ゴガン!と大きな音がして銀時は腹を灯籠に打ちつけ地面に倒れ落ちる。
土煙が上がるなか彼の皿は砕け散り、破片を飛ばしていた。
「銀さん!」
「銀ちゃん!」
新八とAの声が重なった。
敏木斎は脱落した九兵衛の木刀を貰い、土煙を払う
(最後まであの小僧にこだわったのが敗因。何をそこまでこだわるのか)
近くにAがいて、彼女は銀時がやられて額から汗を流し刀を構えた。
(残ったのは小僧とA。彼女との戦いを避けて小僧の割るのが一番簡単じゃが……それにはAという盾が大きすぎる。あちら側は攻撃の主力は彼女。となれば……)
Aが踏み込んで敏木斎に斬り掛かった。
(攻めに転じたAに護りは不可能!的は晒されて……)
「!!」
敏木斎は刀を構えたまま固まってしまう。
Aの攻撃の隙をついて新八を攻めるつもりが、肝心の新八の姿が見えないのである。
「アレ、あの小僧は……ッ!」
敏木斎は背後の灯籠の向こうから人の気配がして振り返った。
そこには、木刀を構えた新八がいた。
敏木斎は驚いて目を見開く。
『いけ』
「新八」
「新八君」
銀時とAの声に応えるように
「おおおお!!!!」
新八は雄叫びを上げて刀を突き出した。
ドゴォォ!!と強い突きの一撃が敏木斎に放たれる。
敏木斎は額の皿を散らしながら後ろに吹っ飛んだ。
ドサッと敏木斎が地面に倒れてお妙は目を見開く。
静寂が生まれ、近藤たちや柳生一門の侍たちが全員動きを止めた。
「……ゴメン。負けちった」
敏木斎の一言で、近藤たちがワッと湧き上がった。
「かっ……勝ったァァ!!」
『新八ぃぃぃ!!』
近藤が歓喜の声を上げ、神楽と戦も嬉しそうにして新八に駆け寄る。
が、二人は新八の顎に蹴りを入れた。
「ぶふォ!!」
「あんま調子に乗んじゃねーぞコルァ!!ほとんど銀ちゃんとAのおかげだろーが!」
「そーだぞ!Aとあとついでに銀時にも感謝しろよ!」
文句を垂れる神楽と戦の横で近藤はニッと笑って新八の背中を叩いた。
「さすが我が
「誰が義弟ですか!」
一気に騒がしくなり土方は静かにタバコに火をつける。
沖田は「また敵ができたぜィ」と呟いていた。
銀時はひと段落して息をつき体を起こす。
まだ地面に倒れている九兵衛を横目に、立ち上がって踵を返した。
彼の前にお妙が来て銀時は足を止める。
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» あけましておめでとうございます!10個目でも見に来てくださって本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月6日 4時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - あけましておめでとうございます。そしてシリーズ数二桁突入おめでとうございます。今年もぜひ、夢主ちゃんとお兄様の活躍と銀魂キャラたちの奮闘を拝見させてください! (2023年1月2日 10時) (レス) id: 503469204d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月1日 3時