普段眼鏡をかけている奴が外すとなんか物足りない 四 ページ31
(僕は、足手まとい……)
『君は完全にお荷物のようだな』
新八の脳裏に先ほどの九兵衛の言葉が蘇る。
(銀さんを、Aさんを……皆を巻き込んだのは僕なのに。なのに僕は)
「お笑いじゃないか新八君。姉上を取り返そうと仲間を引き連れ乗り込んできた君が一番の足手まといとは」
「君は昔から誰かの陰に隠れ、誰かに護られ。君を護る者の気持ちなど知りもせずただすがるだけ。妙ちゃんにあんな偽物の顔が張り付いてしまったのは、君が弱かったからだ新八君」
九兵衛の言葉を聞いていたAは静かに目を伏せて眉を寄せる。
「君に妙ちゃんは護れない。護る資格もない」
それに、と九兵衛は付け加え新八の目を見る。
「その弱さを放置していたら……君のその芽生えた恋心も、護れないまま終わるぞ」
「ッ!!」
九兵衛が攻撃を仕掛けながら目線をAに移す。
九兵衛が何を言いたいのか新八は気づいて、瞳を揺らし唇を噛んだ。
「妙ちゃんを護れるのは、僕だけだァァァ!!」
九兵衛と敏木斎が強い一撃を放った。
銀時とAは新八を庇い刀と身体で受け止める
しかし衝撃と痛みに二人とも地面に膝をついた
「銀さん!Aさん!」
血がこぼれて、二人は互いの肩に体重をかけて立ち上がる
「……ねーよ」
銀時が言葉を発した
「知ったよーな口を聞くんじゃねーよ。テメーに
銀時は顔に血を流しながらも眉を寄せ、鋭い眼で九兵衛を睨んだ
「テメーなんぞにコイツを語ってもらいたかねーんだよ」
普段の気怠げな彼との差に、新八は目を見開く。
銀時の怒った様子にAも驚いていて、しかし顔を伏せてフッと笑った
(ああ……こういうときホント――かっこいいな)
銀時の表情にAの胸が熱を帯びて揺れる。
怒っているのだから思ってはいけない感情なのだろうが、いわゆるギャップというものに、Aはトキメいてしまっていた
「?どうしたA」
視線を感じて銀時は表情を戻しAに問いかけた
「ん?……ううん、何でもないよ。ただ、新八君のこと大事に思ってるんだなって、思って」
Aはフフッと笑って言った
「あたりめーだろ。だってこいつァ」
二人は同時に口角を上げる
『万事屋の大事な刀の一本だ』
「!!」
二人は背中合わせになり、刀を九兵衛たちに向けて言い放った
足手まといではない、荷物でもない、「刀」と呼ばれて新八は目頭が熱くなる
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» あけましておめでとうございます!10個目でも見に来てくださって本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月6日 4時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - あけましておめでとうございます。そしてシリーズ数二桁突入おめでとうございます。今年もぜひ、夢主ちゃんとお兄様の活躍と銀魂キャラたちの奮闘を拝見させてください! (2023年1月2日 10時) (レス) id: 503469204d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月1日 3時