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オタク、ようやく気付く。 ページ21

今思えば、おかしなところだらけだった。

夜にしか来ない男。初めて会った時の、あの違和感。赤い目。彼が笑った時に覗く鋭い歯。

そう、本当は最初から可笑しかった。なのに、どうして。どうして気づかなかった。あの男の。



正体に。




ガタリと出入り口の方から音がした。

もぞりと布団から這い出る。


氷川さんは今日、鬼殺隊の任務で外に出ていた。

普段は私もついていくのだが、今回は危険だから、と夕方、家で待っているように言われた。


まあ、家で1人でいるのも、まあ危険だけども。

それでも、家にいる方が無事だと、あんなにも真剣な顔で言われてしまったら、黙って頷くしかなかった。


そう、つまり今家には私1人。守ってくれる人もいない。


だが、私は引き戸を引いた。

恐れや困惑などなかった。

ただ、それが当たり前かのように引いた。

だって知っていたのだ。

夜分に押しかけてくる男を。

いつもいつも、太陽のような笑顔を引っさげてやってくる男を。


だから、本当に。何も躊躇うことなどしなかったのだ。



家の中まで漂ってくる、甘い匂いに気づきもしないで。




「はーい、今日は氷川さん、おしごと、で、.......」

カラカラと軽い音を立てて、扉が開かれる。

自分の頭より上に向けた視線が捉えたものは、自分の想像していたものではなかった。


黒髪が乱れ、頬はやつれ、美しかったはずの着物は前がはだけ、泥にまみれていた、女だった。

目は虚ろで、その暗闇がずっとこちらを覗いてくる。


汗が噴き出た。

なんだ。なんだ、目の前のこの女性は。

鬼には見えない。

ただの人間の、女。のはずだ。



しかし。


女が突然目を開く。

そして、言葉にもならない叫び声をあげ始めた。

それはもはや、金切り声に近い。


思わず、後ずさる。



ボコリッ


女の腹が突然膨らみだした。



ボコボコボコッ!


まるで中に生き物がいるかのように、腹が暴れ、そして食い破ろうとしている。

女は痛みに苦しみ、悲痛の叫びをあげる。




「ア、アッアア、ア”ア”ア”ッ”!!!!!」



そして、




バンッ



大きな音をたてて、赤黒い、形のない肉塊があふれ出た。

オタク、唖然とする。→←オタク、贈り物を貰う。



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設定タグ:鬼滅の刃 , 男主 , 転生   
作品ジャンル:アニメ
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Stella.Ms.an - うう、 (2022年6月28日 19時) (レス) @page36 id: 44b715b917 (このIDを非表示/違反報告)
Stella.Ms.an - アッ、すみません取り乱してしまいましたいまのはわすれてくれますよねそうですよねニッコリ (2022年6月28日 19時) (レス) @page36 id: 44b715b917 (このIDを非表示/違反報告)
マイケル(プロフ) - はるさん» ありがとうございます!のんびりとですが更新していきますので、どうぞお付き合いください。景虎には醜く退場して貰うつもりなので、お楽しみに! (2020年3月21日 0時) (レス) id: ab4a955ce1 (このIDを非表示/違反報告)
マイケル(プロフ) - 雨傘さん» コメントありがとうございます!じょ、女装?!でも顔は普通に男前なので、似合ってしまいそうなのが更に腹立たしいところですね....!! (2020年3月21日 0時) (レス) id: ab4a955ce1 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 更新頑張って下さい!そして景虎さんに悪の撤退を! (2020年3月14日 16時) (レス) id: de479982fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シレア | 作成日時:2019年7月22日 22時

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