フレシスコン【宮侑/宮治】

エピソード 14 ページ14

【角名視点】





「牛の乳ってチョンってさきっぽ弾いたらあ えいだりするんかなあ」



稲荷崎高校二年生修学旅行は北海道で、スキーだのなんだの騒いでた侑は修学旅行のしおりを貰った瞬間撃沈してた。

この時期なんだからファーム系に決まってるでしょ、と思いながらしおりをペラペラと捲る。


【２日目：牛の乳搾り体験】




つまり俺たちは今、北海道で牛の乳を絞ってるワケで。偶然にも一頭に俺と治、侑と銀といったバレー部のスタメンが揃った。

そして冒頭の台詞を牛の乳を絞りながら侑が吐いた。




「それ、もぉぉっん♡って感じ？？」

「………(ねえ、なに言ってんのこいつら)」

「(知らんわ、俺に聞かんでくれ)」




続けて意味のわからないことを言う治。とっさに銀に目で会話するも秒で逸らされた。牧場の人も偏差値の低い会話に苦笑いだよ。






「俺、うしさん飼おかな」



牛乳からチーズだったり色々な乳製品を作って食べる時間。治が何か言ったがもう無視だ。

きっとこんな美味しい物毎日食べたいって理由からだろうけど、お前はどうせ牛本体の方を食べて終わる。その食欲は肉には勝てないと思う。





「家帰ったらオカンに頼もか」



ヨーグルトをパクリと食べながら、こいつらのお母さんに同情した。どっちか一人でも大変なのにこんなのが二人もいるなんて、俺なら無理。


そんなことを思いながら侑を見てたら





「なんやねん、あげへんぞ」




何やら勘違いされた。別に侑が食べてるアイスクリームなんか欲しくないし、それをいうなら俺の姉ちゃんもあげないからね。

まあめんどくさいから口には出さないけど。






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