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かと思われたが、すぐに体制を立て直した。
私が異能力を使った。
治さんの額スレスレの空間と、襲撃者の心臓の位置にピッタリと繋がったゲートは間違いなく私のもの。
治さんに向けて放たれたはずの銃弾は
ゲートを通り、襲撃者自らの命を奪った。
弾は襲撃者の心臓を貫通し、壁にあたって反射。襲撃者の体内を駆け巡り、鮮血と、骨が砕ける禍々しい音が直接目と耳に入ってきた。
地面に倒れた襲撃者は見るも無残な姿に形を変えていた。
「………………残念だよ
また死ねなかった」
私はじっと彼を見つめた。
「悪いね、吃驚させて
迫真の演技だったろう?狙撃銃の痕は左頬についていただろう?だからあいつは左利きだと思ったんだが…違ったみたいだ。あいつ、両利きだったんだね、Aちゃんがいてくれなかったら逝けたのに〜。もーなんでそういう事するかな〜?」
「ごめんなさい。だって、治さんが死んじゃったら、私もどうするかわかりませんもの」
「そうか〜。遂に私に惚れちゃった?」
私は治さんが額に指を置いて銃口に近寄っていく時の、泣き出す寸前の子供の様な表情が、目の裏に焼き付いていた。
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作者名:あさ x他1人 | 作成日時:2019年12月31日 23時