大好き ページ45
LIVEが終わりAちゃんを待っていた。
Aちゃんらしき人はなかなか現れずもう少しで2時間が経とうとしていた。
「志麻さん。」
この声。
俺がずっと聞きたかった声。
Aちゃん。
振り向くとAちゃんは寒いのかコートに顔を埋めていた。
「来てくれたん?」
「もう二度と会わないためです。」
「そっか。でも最後に一言だけ言わせてほしい。」
「これ言ったら俺も気が済むと思うから。」
「分かりました。」
俺はAちゃんの手をとり目を合わせて言った。
「ずっと好きでした。」
「おかしいよな、Aちゃんは俺のストーカーやったのにこんなにもAちゃんに惹かれるなんて。」
「俺も最初はありえへんって思ってた。やけどAちゃんが坂田と話してたり他の誰かを推してるところみるなんて耐えられへん。」
「こんな俺やけどよかったら俺と付き合ってほしいです。お願いします。」
お願い。
なんか言って。
黙っていられるのが一番辛い。
嫌いならスパッと振って。
俺なんか大嫌いって言って。
「……い。」
「え?」
「ずるいですよ!」
「私の返事なんて分かってたくせに。」
「志麻さんなんか大嫌いで……大好きですよ!」
Aちゃん泣いてる。
俺が優しく抱きしめてあげるとAちゃんは腕を俺の腰にまわした。
「俺は愛してる。」
「愛しちゅうよじゃないんですか?」
「なんや言ってほしんか? いいよ。」
「俺はおまんのこと愛しちゅうよ。」
「…」
「言わせておいて照れんなよ!」
「だって……。」
「帰ろ。」
「どこにですか?」
「東京一緒に行こう。」
「今からですか!?」
「うん。」
「それは無理です。友達が家で待ってるので。明日から二人でいろんな観光地訪れる予定なので。」
彼氏より友達優先かよ。
「嫌や〜。だってあの子男の子やろ?彼氏おるのに他の男と過ごすとか……。」
「あの子女の子です。確かに身長180超えてるんですけどあの子昔バスケやってたんで……。だから心配いりませんよ。」
「そ、そっか。よかっt。」
「今日はもう帰りますね。絶対に志麻さんに会いに行きます。」
「あ、俺もう推しじゃなくて彼氏やねんけど。志麻って呼んで。」
「志麻。ってなんで志麻さんが照れてるんですか?」
「なんでもない!ほら、帰るで!送るから。」
「はい。」
初めて繋いだ彼女の手は柔らかくて手を話すのが名残惜しかった。
またあの場所で君を待っている。
The End
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HIBIKI(プロフ) - あんにんどーふ。さん» ありがとうございますぅぅぅ(泣) これからも頑張ります! (2019年10月30日 3時) (レス) id: e3e3a077d5 (このIDを非表示/違反報告)
あんにんどーふ。 - 完結おめでとうございます!((言うの遅っ 胸毛さん出てくると面白いですね、大声で笑いました(( これからも頑張ってください!! (2019年10月29日 17時) (レス) id: bae7e51a6f (このIDを非表示/違反報告)
HIBIKI(プロフ) - ねこサンドさん» ありがと!全然大丈夫やで。土下座しないで。ww 楽しんでもらえたならよかったです。 (2019年10月26日 12時) (レス) id: e3e3a077d5 (このIDを非表示/違反報告)
ねこサンド(プロフ) - 完結おめでとう!確かに合作ゆるゆるやねぇー、てか更新ひびきに任せっきりな気がしてきた。ごめん_〇/\_。あと、とても楽しく読まさせて頂きました! (2019年10月26日 12時) (レス) id: 9e542e9f06 (このIDを非表示/違反報告)
HIBIKI(プロフ) - ノン。叉は熊ねぇさん» よかったです!こちらこそリクエストありがとうございました! (2019年10月25日 17時) (レス) id: e3e3a077d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HIBIKI | 作成日時:2019年8月17日 16時