頼れる先輩は。【センラ】

先輩。-26- ページ27

私のことをいじめていたのは
坂田先輩のことを好きな人。



そして、それが私の親友だとわかった。



どうして。



私が坂田先輩と話していたから、いじめられていたの？



たったそれだけで...



私は怖くなった。



人と話すことは他の人に妬まれる。
たとえ、他の人が先輩であっても親友であっても。



私は坂田先輩と距離を置くようになった。
部活にも行かず。



話しかけられても無視していた。



坂田先輩に迷惑をかけたくなかった。
坂田先輩にだけは。



すると、坂田先輩は話しかけて来なくなった。
いじめもいつの間にかなくなった。
これでよかったんだと思う。



私と坂田先輩が話さなくなって何ヶ月か経ったあと
先生に資料を坂田先輩に渡すように言われた。


正直気まずかったが、きっと坂田先輩は優しいから
平気だろうと思っていた。



『坂田先輩。あの、ちょっといいですか。』



坂「ごめん、俺先生んとこ行かないと。」



待ってください。



言いたかった言葉が言えない。



坂田先輩はもう行ってしまった。



優しかった坂田先輩も。



拒否。
それは、いじめよりも辛かった。
私は自分ためにこんなにも大切な人を失ってしまった。
それが何よりも辛かった。



だから、私も坂田先輩と関わるのをやめた。



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