【センラ】コイビトモダチ

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「それでは、新郎新婦の入場です！」


司会の人がそう言うと、大きな扉が開き、最近のウエディングソングが流れ始める。
真っ白なドレスに身を包んだAはめっっっちゃ綺麗で、その隣にいる坂田君はかっこよくて、素直にお似合いやなって思う。
多分、横にいるうらたんも同じこと思ってるんやろうなと思って見たら、悔しそうな、羨ましそうな、変な顔してたけど。

披露宴は順調に進んで(Aのことしか見てないけど)、歓談と食事の時間になった。


「花嫁さーん、来てあげたよー。」

「泉！浦田君も！」

「ドレス綺麗やね。」

「あー！先輩、花嫁を口説かないでください！！」

「それはツンデレ？あえてドレスをつけることでツンデレになってるの？」

「はいはいw この夫婦うるさいわぁw」

「Aさんっ、おめでとうございます！すっごい綺麗です！」

「うらたんもっ！やめて！w」

「おっ？うらたん？おっおっ？」

「待ってなんで先輩はいいのに俺ダメなん？！」


こんな時でもいつもの流れではしゃぐうらさかに隠れて、Aの耳元で囁く。


「A、綺麗やで。…結婚おめでとう！お幸せにぃ！」

「えっ、あ、うん…、ありがとう…。」

「ふふっw じゃ、俺は海老食べてくるわ〜。」


振り返らずにその場を後にする。
…これが俺の最後の悪あがき。



結局、誓いのキスはせずに披露宴は終わった。いっそ見れたらよかったのかもしれないけど、見ずに済んで安心していたり。途中のご両親に向けた手紙で何故かうらたんが泣いてたり。
なんやかんやあって今はブーケトスだ。普通は未婚の女性が取り合うのだろうが、子供や既婚者にも声をかけているあたり、2人らしいと思う。


「泉さんもっと前じゃなくていいんですか？」

「うらたんこそ、取りに行かんくてえーの？」

「別に、取った人が結婚できるとか信じてないですし、取らなくても結婚しますし！」

「俺もできるもーん。」

「えぇ、大丈夫ですか〜？」

「あ、今のちょっと傷ついたよ。うらたん。」

「wwww」


「準備できてますかー？！投げまーす！」

「あ、きますよ。」

「いや、ここまでは来んよw」

「せーのっ！！」


そう叫びながら投げられたブーケは、前の方の人の頭上を抜けて、俺の手に。
前の方の未婚女性の視線が怖い。ここまでくるとは思わんやん。



「泉が取ったの！？w お幸せに！！」


そう言ったAは、今までで一番綺麗だった。



＿＿＿「おうw任せとき！！」





end.


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