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そう問われて輝夜は悩んだ。
別に特に意味がなかったからだ。
「うーん、探究心ですかね。本物かどうか気になったんです。まぁ、本物でしたけどね。どんなに拷/問されても死にませんでしたし」
宿儺は「は?」という顔をする。
「でも痛みはありますよ?体の回復も他の人となんら変わりありませんし」
「……地獄だな、それは」
「そうですね。何度死ねたらと思いました」
気まずい空気が流れた。
輝夜は少しばかり自分の話をしたことを後悔した。
「あ、そうだ。宿儺様についても教えてください」
「?」
「私が話したのですから話してくださいませんか。……って、私がさらに宿儺様について知りたいだけなのですが」
輝夜は照れくさそうに言った。
その様子を見て、宿儺は笑った。
嬉しかったのだろう。
ぽつりぽつりと宿儺は自分の話を始めた。
自分が何なのか、そして何故輝夜を好きになったのか。
「あの時いらっしゃったのは宿儺様でしたか……。お恥ずかしいところを見せてしまいましたね」
どうやら輝夜は暗かったので、誰かいることには気づいたが、どんな人間だったかは気づかなかったようだ。
「……輝夜。こんな姿でも俺のことを好いてくれるか」
輝夜はそう質問されて驚いた。
そして、微笑んだのだ。
「勿論でございます。私は宿儺様の容貌を見て好きになったのではありません。貴方様の心を感じで好きになったのです」
「!」
「勿論容貌も好きでしたよ。でも、一番は宿儺様の優しさが私を惹きつけたのです。どうかずっとお側にいさせてください」
「……勿論だ」
宿儺のその答えを聞いて、輝夜は嬉しそうな顔する。
宿儺はその顔を見て、愛らしいと思った。
宿儺の手が彼女の顔に伸びる。
手が頬に触れると、輝夜は少し胸が高鳴った。
そっと目蓋を閉じる。
その様子を見て、宿儺はそっと唇を重ねた
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ミルクティー - 面白い!早く、新しい更新来ないかな〜 (3月31日 16時) (レス) @page21 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
MR サナリア(プロフ) - 新作キターーーー! 嬉しい〜! (3月24日 15時) (レス) @page5 id: bd9c6547a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:妃夏 | 作成日時:2024年3月24日 13時