【呪術廻戦】月姫 (ページ32)

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私が部屋から出ると、部屋の前で五条が待っていた。

「悠仁を殺すように言われたんでしょ」

「そうだが」

「で、その依頼…受けるつもり？」

「嗚呼」

「そっか。じゃあ…ここで君を止めさせてもらう」

私はため息をつく。

「虎杖は殺さない。要は、彼の中にいる両面宿儺とやらだけを殺せばいいのだろ」

「……！」

「余に不可能は無い。任せろ」

そう言って通り過ぎた私を、五条は止めなかった。

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「あ、いたいた」

「輝夜さん？」

ちょうど一人のようで良かった。

複数人といて、彼だけ連れ出したら怪しまれるだろう。

近くに他の生徒の気配も感じない。

「……悪いね」

私は指を鳴らす。

すると、彼の顔に黒い紋様が浮かび上がってくる。

強制的に、両面宿儺の方を出させてもらった。

「……」

「悪いけど、お前を殺させてもらうぞ」

コイツの強さは見れば分かる。

五条よりやばい。

彼は私に向かって何か術を放とうとするが、術が出なくて驚いている。

悪いが、先手必死。

彼が使える術は全て封じさせてもらった。

私は動けないように拘束する。

コイツだけの魂を潰せば、虎杖はこれからも生きられるだろう。

「すんなりと死を受け入れるのだな」

「……」

両面宿儺はなにも答えなかった。

昨日と同じだ。

終始ずっと黙っている。

……喋れないわけではないだろう？

“何故？”

まぁいい、考えても無駄だ。

私は魂を潰す術を使おうとした。

＿＿＿昨日から気になっていた。

気にすることではないだろうに。

何故、何故。

この男は私に悲しみの目を向けるのだ＿＿？

何故だか心に引っ掛かる。

訳を知りたい。

あぁ…昔からの悪い癖だ。

「……気が変わった。お前を余の愛玩動物(ペット)にする」

「・・・は？」