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私は、呪術高専と呼ばれるところに来ていた。
お風呂を貸してもらい、私の“体”は休まった。
だがまぁ、やるべきことは色々あるだろう。
「改めて聞くけど、君は月から来たってことで良いんだね」
「嗚呼」
「……君はかぐや姫か何かなのかい?」
「!……その名で呼ばれるのは久しいな」
(うわマジかー……。かぐや姫とか御伽話だけの話かと思ってたよ……)
かぐや姫。
昔、地球にいた頃に良く呼ばれていた。
今でも思い返す。
地球にいた頃のことを。
だが、一部だけは封印してしまってどうにもならない。
「輝夜さんって呼ばせてもらうけど、何が目的で地球に来たのかな。征服?」
「違う。余は…記憶を探しに来たのだ」
「記憶?」
「余は、地球にいた頃の記憶を一部封印した。その封印した記憶が地球にある」
月にあればいつか私が手を出してしまう。
だから、しばらく行けないような地球に置いてきてもらった。
まさか1000年近くも行けないとは思ってもいなかったが。
「その封印した記憶が戻ったら、月に帰るのかい?」
「……分からない。帝の位を降りた今、正直…何をすれば良いのかが分からない」
「……」
記憶が戻ったらなんて考えていなかった。
月には私は必要ない。
……欲がない人間になってしまったな。
「とりあえず、しばらくは此処でゆっくりしててもらって。学長には話をつけておいたから。……自分のペースで、自分が何をやりたいのかを考えればいいよ」
「……偉そうに言うな、お前は」
(やべ)
「まぁ、無駄に力を使いたくない故、殺さないでおいてやろう」
一応、いつでもお前を殺せると匂わせておくか。
この女はただものではないことは分かっている。
かなりの力を持っている。
地球人も恐ろしいものだな。
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ミルクティー - 面白い!早く、新しい更新来ないかな〜 (3月31日 16時) (レス) @page21 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
MR サナリア(プロフ) - 新作キターーーー! 嬉しい〜! (3月24日 15時) (レス) @page5 id: bd9c6547a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:妃夏 | 作成日時:2024年3月24日 13時