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地球に来るのは数千年ぶりだ。
だが、何故こんな酷い有様なのだ?
……建物が崩れている。
“死”と血の匂いが漂っている。
多くの魂が辺りを彷徨っているのが見える。
何かあったのだろう。
私が首を突っ込むことではないだろう。
__本当に悲惨でした。姫さまがいればどれだけ良かったか……
友の言葉が頭によぎる。
彼奴は慈悲深すぎるのだ。
能天気なくせに。
月兎のくせに。
今まで出会ってきた月兎で人間臭いと感じたのは、彼が初めてだ。
此処まで私の心を動かすとはな。
あまり首は突っ込みたくなかったが、しばらくお世話になる星だ。
これぐらい良いだろう。
私はベルを鳴らす。
その音はどこまでも続く夜の帳に響き渡る。
辺りを彷徨う魂がいなくなった。
酷い有様は、私が話に聞いていた今の日本の姿に戻った。
しかし、途端に大きな音が響く。
直した途端に壊された。
一体、ここで何が起こっているのだ?
はぁ、あまり首は突っ込みたくなかったのだが。
私は音のする方向を目指した。
乱れた魂が幾つも存在する。
化け物の集まりか、ここは。
私がいることには気づいていないみたいだ。
せっかく直した建物が、ボロボロである。
……ムカつくな。
辺りを漂う冷気、氷の塊。
私は指を鳴らし、全てを溶かした。
……かなり怒っているな、私。
一気に人々の視線は私に向く。
別に……多少の地球人が死んだところで私には関係がない。
私が不快だと思ったら殺す。
(突然現れて、一体何者だ……?建物が直ったのもコイツの能力なのか?こんなやつ、呪術師側にいたか?計画が乱れていく。……殺しておくか)
私に向かって一直線に化け物が向かってくる。
殺意を感じる。
一番に私を攻撃してきたと言うことは、彼がこの状況に陥った犯人。
私は化け物を木っ端微塵にする。
「……不快だ」
「君が何者かはしらないけど、私の計画を邪魔するなら__」
「発言を許した覚えはないぞ」
男の首が飛ぶ。
自分の気持ちに正直に生きた方が良いだろう。
ていうか、なんなんだこの男。
変な魂だ。
体の持ち主とは違う魂が入り込んでいるのか?
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ミルクティー - 面白い!早く、新しい更新来ないかな〜 (3月31日 16時) (レス) @page21 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
MR サナリア(プロフ) - 新作キターーーー! 嬉しい〜! (3月24日 15時) (レス) @page5 id: bd9c6547a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:妃夏 | 作成日時:2024年3月24日 13時