【呪術廻戦】月姫 (ページ15)

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宿儺は文をぐしゃりと潰した。

翌朝起きれば輝夜の姿は見えず、一通の文と謎の薬が置かれていた。

「……宿儺様」

「フッ…ハハ……ハハハハ……！！」

宿儺は怒りに震えていた。

自分への裏切りへと感じたのだ。

ずっと側にいるという言葉。

全部嘘だっただろうかと。

「裏梅。この薬をアイツに見えるように燃やしておけ」

「……御意」

不老不死の薬は輝夜の賭けであった。

自分のことを愛してくれているのなら、ずっと生き続けて自分のことを待っててくれるだろうと。

しかし、その賭けは思わぬ形で負けたのだった。

(覚えておけ輝夜。今度会う時は俺の元を一生離れられないように呪ってやろう)

ケヒッ、という声が小さくこだました。

裏梅は富士に来ていた。

宿儺に言われた通りに不老不死の薬を燃やしに来たのだった。

パチパチと火が燃える。

(愛ほど歪んだ呪いはないのですね)

その後、宿儺が生きている間に輝夜が地球に戻ってくることはなかった。

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男は静かに笑った。

これは神が与えた自分へのチャンスだと。

「何年。いゃ、何百年、何千年……！！貴方様を待ち続けましょう……！」

彼が抱くのは憎しみ？

否、彼が抱くのは歪んだ愛情。

(貴方様がいけないのです。私を選ばなかった、貴方様が。あんな怪物を選んで)

男は気づいていない。

自業自得だと。

あの時、彼女を選ばなかったのは自分だと。

＿＿＿お前は不老不死の薬を飲めるのか？

＿＿＿私と“永遠に死なない”という苦痛を共にするという覚悟はあるか？

「私が皆様を救いましょう。だから……どうか私を信仰してくださいな」

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