【呪術廻戦】月姫 (ページ2)

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彼の後ろ姿が見えなくなったところで、彼女…輝夜は家の中へと戻った。

そして自分の部屋へと駆けて行く。

(やってしまった……！どこの貴族かも分からないのに、あんなことを言ってしまった……。どうしよう、この村が潰されたら……)

輝夜は宿儺に言った言葉を後悔していた。

輝夜は先程求婚(？)をした宿儺を、あの晩会った人間だと気づいていない。

そもそも、宿儺自体も自分の本当の姿を偽って輝夜に会いに来たのだ。

「輝夜、先ほどの方は帰ったのかい？」

「あ、うん……」

「良い男に見えたけどねぇ。今まで求婚してきた男の中で私は一番好みだよ」

彼女の義母が笑顔でそう言う。

その言葉を聞いて、輝夜は少し頬をひきつった。

毎度のことであるので、輝夜は慣れているが。

「ま、でもうちの夫には勝てないけどね」

「この歳でそんなことを言わないでくれ。恥ずかしい」

「やだもう、本当のことを言っただけですよ」

目の前で仲睦まじくされて、気まずくなる輝夜。

ここは自分の部屋なのに、と思ったのだった。

翌日。

輝夜が洗濯物を干していると、声をかけられる。

視線を動かすと、昨日来た男…宿儺であった。

それを確認すると輝夜は面倒くさそうな顔をする。

また諦めの悪い男に気に入れられてしまった、と思っていた。

しかし

また輝夜の元にやってきた宿儺は開口一番に、謝罪の言葉を述べた。

「昨日は突然すまなかった」

こんなこと初めてであった。

今までの男は、輝夜の機嫌を損ねたと分かると次の日には高価な物を持って機嫌を取ろうとした。

謝罪の言葉など無かった。

彼女は、この男は他の男とは違うのでは？と少し興味を示した。

彼女は宿儺に歩み寄った。

「私の方こそ、少々きつく当たってしまい申し訳ございませんでした。……良ければお茶でも飲んで行ってください」

宿儺はその言葉に驚いたが、輝夜と話す機会をもらえたのだと理解し、その言葉に甘えた。

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