蝉とけい‥みんなしわわせ。(ymxin)蝉シリーズ(５)

＝すりすり・５＝ ページ14

『・・相棒、おかえり・・。』



リョウは、伏し目がちに

『・・お、親父さんの親戚が来たんだ・・。
　だから＿＿＿＿。』


『そっか・・。
　なぁ、リョウ、ここに住めよ？
　な、そうしょうぜ？』


『いや・・でも、
　お前の飼い主が・・・。』


『大丈夫だよ、きっと。
　兄貴は、けいに弱いし・・
　リョウは、あのオオカミ
　そっくりだっっ。』


『・・・？？』

リョウは要領を得ない顔をしている

・・と＿＿＿＿＿。




けいが起きてきて、

案の定・・・。

けいは、リョウを見て

リョウにぎゅぅ―――っと抱き着いた。




オレは、けいを手で指して

『リョウ、コイツが、けいな。
　オオカミが大好きなんだ。
　だから、リョウのコトも
　だーい好きになるぜっ。』


『・・この子が言ってた
　けいか・・。』


『ああ。ワガママで泣き虫で＿＿＿』


『・・でも、可愛くって
　ほっとけない・・けいか＿＿＿＿。』


『あ〜〜、ま、まぁなっ。』

オレは照れくさくって

ごまかして・・手で顔洗ってると



けいが、オレに一生懸命話し掛ける。

「ね、ねぇこ。
　ねこも、おおか・み。ぎゅー、して。いいよ。
　せみは、めっ。けど、おおかみ、ぎゅー。して
　いいよ。」




オレは笑いながらリョウに、

『な、ヤキモチ焼きなんだぜ、けいって。
　でも、リョウには、ぎゅーしていいってさ。
　じゃ、遠慮なく・・ぎゅぅ――――。』




リョウは優しく『ふふ。』と笑って

優しい目でけいを見つめ

泣いているけいの頬をペロリとなめた。


『なぁ、ねこ。』


『ん？・・何、リョウ。』


『・・けいって、本当に・・
　可愛い子だな・・。ふふふふ。』


『ふふっ。・・だろっ。』




・・けいのおかげで・・

久し振りに、リョウが笑った・・。

リョウが・・笑顔になった＿＿＿＿＿。





兄貴がバタバタと、家を出て行って・・




でも、オレは・・兄貴を信じてた。

必ず、リョウを１人にさせないって・・

リョウをきっと、笑顔に

しあわせにしてくれるって＿＿＿＿＿。






「ん――――。せみぃぃ・・。」


リョウの肩に顔を埋めて泣いていた

けいが・・ウトウトしだして・・

オレは、バーさんを呼んで


「あらあら、けいちゃん。
　ウトウトしちゃって・・ほ〜ら、
　けいちゃんお布団行こう？・・ね？」




バーさんが足元のオレに

笑顔を向けて


「・・教えてくれてありがとね。
　ねこちゃん＿＿＿。」

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