おい、歯ブラシ忘れてんぞ。【松田陣平】

Toothbrush｜２ ページ2

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「丸秘が動いた。心して取りかかるように」


「「「はい！！！」」」





あれから三年。私は変わらずこの部署でお世話になっている



今回の事件は連続強盗



目暮警部の指示を仰ぎ、一般道をドリフト利かせて暴走した。...助手席にはペアを組んだ美和子も乗せて



「ちょっとA！！！いい加減荒っぽい運転改善出来ないの！！？ここ公道よ！！！」


美和子の言葉もお構い無しに逃亡を謀る犯人が乗る車を追い掛ける


これこそまさにカーチェイス



『繰り広げるカーチェイス〜美和子を添えて〜』


「こんっな時に！！おバカ！！！」



一人失笑していれば美和子からおバカ頂きました。ありがとうございます



『美和子！後輪の左タイヤ空気圧が弱い、誤ってボディに発砲しないよう集中して！』


ハンドルを雑に切りながら、途端に目敏く逃走車の欠陥を見抜いた自分は隣の美和子へ指示を出す



「無茶言う！！」


それでも絶大な信頼があるからこそ無茶ぶり振っても華麗に決めるのがミス美和子なのだ



彼女が全開にした車窓から身を乗り出し放った一発は見事命中


パンクしたタイヤは使い物にならず重心を無くした逃走車は十字路交差点で完全に止まった



『午前1時26分逮捕』



無理矢理車内から引きずり出した犯人の手に手錠をかけマニュアル通りに言葉を放つ




「A！！これは始末書モンよ」

『何故ゆえに？？』

「民間人も居るんだから少しは自重しろってあれほど言ったでしょ！！？なのにアンタの運転ったら！！今度から私が運転するわ」




そんなに私の運転駄目かとしょげていれば応援に駆け付けた高木君に宥められた美和子



おいこら。私をダシにイチャイチャするんじゃない。報告書に書くぞ




『...はぁ。日付変更線なんて一時間も前に通り過ぎたのか...』



どうでもいい事をポツリと呟き、今尚イチャイチャしている二人には脇目も振らず目暮警部へ内線を繋げた





＿＿知る由も無い。予知出来る筈も無いのだ



今終えたこの事件は取っ掛かりに過ぎない



“今日”と言う日が、どれ程の大事件だと言う事かを

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