【呪術廻戦】猫、始まりました

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お昼寝するはずだった職員室を出てトボトボと歩く


あの後…私の聞いたことのない猫撫で声にテンションの上がったゴジョウ先生に対し、ナナミさんからは氷点下とも思えるような視線をいただいた


「ミィ…(はぁ…)」


調子に乗っていた


猫になってからというもの、生徒はもちろん高専関係者、業者の方々から可愛い可愛いと持て囃されていたので、人類皆猫好きといったような気になっていた


もしかしたらナナミさんは猫が苦手なのかもしれない


あまりにも居た堪れなくて職員室を出て来てしまったが食後はとてつもなく眠いもので


とりあえず裏庭を目指して歩いていた


はずだが？


どういう…これはいったい…どういうことなのか…


なんとなく撫でられているような感覚がして、またゴジョウ先生かな、くらいの軽い気持ちで目を開けた


今私を膝に乗せて見下ろしているのはいつもの見慣れた目隠しではなく、堅物メガネこと


ナナミケントさん。


なん、え？何があってこう、なっている？


確か裏庭を目指していたはずだが、着いた記憶がない


おそらく裏庭に向かう途中、眠気に勝てずそのへんで寝てしまったんだろう(よくやる)


え…ナナミさんが拾ってくれたの？


「……ニャン(…おはようございます)」


この撫でてくれている手はナナミさんの手でお間違いない？


あ、いい匂い


「先程は怖がらせてしまい、すみません。そんなつもりはなかったんですが」


そんなつもりなかったんですか？あの表情(かお)で？


「やはりどうしてもあの人の前で気を緩めるという事に抵抗がありまして」


ゴジョウ先生の事だろうか


「これからは高専に来る楽しみができました」


撫でてくれる手つきがちょっとぎこちなくて人間だったら笑っていたかもしれない


「またお会いできる日を楽しみにしています、Aさん」


「ミャン(私もです)」


ぎこちないけど優しくてあったかくて、またすぐにでも会いたくなった



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