【呪術廻戦】嘘つきな猿

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何年も探し続けたものを見つけたような安心したような惚けたような嬉しそうな顔




学生時代長く一緒にいた夏油でさえ見たことの無い表情




その表情を引き出したのが自分でないことそして学生時代否定したものが他の男によって肯定されたことにギュッと拳を握った





『み、見えるんですよね、わたし見える人に会えたの初めてでそれで』




興奮冷めやらぬようでAは乙骨の手をギュッと握った





パンダ「あ、不味い！」


五条「あー、」






里香《憂太にさわるなぁぁあ！！》





叫び声と共に里香が現れた




乙骨「り、里香ちゃん落ち着いて！」






里香ちゃんは乙骨に女性が触れることを酷く嫌う。まだ里香ちゃんを制御しきれていない乙骨は里香ちゃんが女性を襲うのではとヒヤヒヤした






しかしそれは杞憂に終わった





『わ、可愛らしい女の子ですね。初めまして里香ちゃん私は東Aと申します』




あろう事か笑顔で挨拶をしたA





Aの目にはもちろん怨霊の里香も写っているがそれより乙骨の後ろに隠れる小さな女の子ガキになったのだ





乙骨「え、あの、貴方も里香ちゃんが見えるんですか？」





乙骨は自分のせいで里香ちゃんが化け物になったことを嘆いていた。化け物の里香ちゃんは認識されてワンピース姿の女の子の里香ちゃんは認識されないから自分の妄想だと常々思っていたが





『あなたの事がとても好きなんですね。私は彼を取ったりしませんから仲良くしましょう？』






手を差し伸べたAに里香ちゃんはおずおずと手を伸ばした





それは怨霊の方も同じだった









だから周りから見ればAが里香に声をかけ諭したように見える






真希「まじかよ」





予想外の事態に周囲は固まる





夜蛾「どういう状況だ？」




静まった空気に遅れて登場した夜蛾が声をかける




夜蛾の問いに誰も答えないのにため息をついて指示を出す





夜蛾「パンダ、乙骨達と教室に戻ってくれ。悟と傑は俺についてこい



Aは天元様がお呼びだ｣




"天元"の文字に反応しAをバっと見つめる二人








『かしこまりました』

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